2013/06/16

サービスとストックビジネスに移行し始めたPCデポ



家電量販店は激動にさらされている。
2010年にピークをうった家電量販店マーケットは約9.5兆円に達したが、エコポイントや地デジ化で需要を先食いしてしまったため11年は8.5兆円に縮小し、今後も縮小傾向が続くと見られている。
縮小するマーケットで少しでも優位に立つため、家電量販店業界は買収、合併による再編が進んでいる。

業界内の競争は激化してきているが、どのメジャープレイヤーも同じビジネスモデルで競い合っている。
販売量を最大化し、メーカーからの販売報奨金でも儲けるという利益モデルだ。
だからどのプレーヤーも規模を求める。


そんな中で、PCデポはビジネスモデルを転換させて生き残りを図っている。
PCデポは厳密にいえば家電量販店ではなくてPC関連製品専門店だが、基本的に業界は家電量販店と同じ構造だ。

PCデポのサービスビジネス

PCデポが力を入れているのは修理や設定サービスだ。
各店舗に故障したPCを持ち込めば診断して修理の見積をしてくれるし、スマートフォン初心者向けにtwitterのアカウント設定もしてくれる。
また、クラウド・ストレージの提供と設定してくれるサービスもあるようだ。

料金を見ると、自分で全て出来るPCリテラシーの高い人達にとっては非常に高いと感じる価格だ。
だが、リテラシーが低い人やパソコンの問題を自己解決するために時間を取っていられない人たちには価値の高いサービスなのだろう。

PCデポの売上513億円のうち140億円をサービス売上が占めている。


PCデポのストックビジネス

PCデポのホームページを見てもらうと、他の家電量販店にない特徴的な販売方法をとっているのが分かる。

PCやタブレットなどのハードウェアと、イーモバイルやデジタルマガジン、デジタル新聞をセットで月額課金(割賦販売)型で販売しているのだ。
月額課金型の商品を増やすと、一度に大きな金額を支出するのは難しいがタブレットやPCが欲しいというニーズを持つ新たな顧客層へリーチできるのかもしれない。
しかし、PCデポがストック型ビジネスに傾倒している理由は恐らくそれだけに留まらない。

二つの商品を組み合わせて販売するということは、二つのアライアンス企業から販売リベートを受け取ることができる。
だから総額が安く見えるが十分に利益を稼ぐことができる。

また、回線や月額制デジタルマガジンやデジタル新聞をハードに組み合わせる商品が多いため、これら月額契約商品の契約数が増える。
こうした商品は物販と異なり毎月契約数分だけ仕入れて売上が上がるので、在庫を抱えるリスクがなく毎月安定した収益を上げることができる。
利益率は非常に小さいが、毎月安定した利益を得られるのは小売店にとって魅力的だろう。


他の家電量販店がスライウォツキーの利益モデルで言う「相対的市場シェア利益モデル」で争っているのに対し、PCデポはサービス型利益、ストック型利益ビジネスへとビジネスモデルを転換させて対抗している。
PCデポはこの戦略で大きく売上を上げるのは難しいかもしれないが、競合他社と比較すると安定した利益を稼ぎだす企業になれるのではないだろうか。

参考: 2013/6/6 利益モデル20. 相対的市場シェア利益モデル


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