2013/06/15

トレンドを見誤る恐怖!ジンガ(Zynga)の


6月の初旬、米国で最も有名だったブラウザ型ソーシャルゲームのジンガ(Zynga)が売上不振から20%近い社員をレイオフするというニュースが流れた。
2007年に創立されたこの企業はわずか5年で昨年2012年度に過去最高の1000億近い売上を上げていたというのにだ。

下図の売上推移を見てもらえれば、いかに急激な売上減少に直面しているかがわかるというものだ。
この売上減少は一時的な要因などではなく、プレイヤーの現象という本質的な価値の流出を反映しているのだ。

出展: Inside Social Games.com

なぜジンガはこんな悲惨な状況に見舞われているのか。
それは、モバイルゲームへのシフトという大きなマーケットトレンドに乗り遅れたことが原因だ。

ジンガはブラウザ主体のFacebookソーシャルゲームで大成功し驚異的な利益を上げるという成功体験を経験した。
が、これが仇になりモバイルシフトへの対応が遅れたのだ。
ここ数年、スマートフォンの普及によりモバイルへのゲームシフトが顕著だ。

ジンガにとって悪いニュースなのは、ゲームのモバイルシフトは一時的なサイクルではなくブラウザゲーム市場が縮小していく大きなトレンドだったということだ。
サイクルとトレンドを見誤ることは危機的な状況を生み出す。

サイクルとトレンド

どんな業界にもサイクルとトレンドというパターンがある。
サイクルは循環する景気のように、アップダウンを繰り返す流れを言う。
スライウォツキーの景気循環利益モデルはこの景気循環サイクルを上手く乗りこなす企業がいかに儲けるかを書いた。

参考: 2013/5/28 利益モデル17. 景気循環利益モデル

景気循環サイクルにおいては、基本的には冬の時代に力尽きなければやがて平等に夏の時代がやってくる。
だがトレンドはそうはいかない。

トレンドは、サイクルと違って不可逆な変化がマーケットに起きた状態を言う。
下りのトレンドに入ったマーケットは、早く脱却しなければ大きな火傷を負うどころか一つの事業に頼っている企業はそのまま倒産に至る可能性が低くない。

分かりやすい例はスマートフォンにマーケットを奪われたフィーチャーフォンだ。
スマートフォンはフィーチャーフォンが持っている機能を全て有しているので、スマートフォンユーザーがフィーチャーフォンに戻ることはない。
余程の物好きを除いては。

幸いフィーチャーフォンを製造しているメーカーはスマートフォンに移行できたので商品のラインナップが大きく入れ替わったというだけで済んだ。
だが、コンパクトデジカメの製造メーカーからするとスマートフォンの台頭は悪夢だ。
これまでキャリアとのビジネス経験がないコンパクトデジカメ製造メーカーがスマートフォンを製造してもそう上手くは行かないだろう。
スマートフォンは今後も普及率を伸ばし続け、コンパクトデジカメはその存在意義が変わるほどのイノベーションが起きない限りマーケットはシュリンクし続けると思われる。


トレンドは不可逆なマーケットの変化を起こしてプレイヤーに退場を迫る。
ブラウザゲーム市場とモバイルゲーム市場はさほど企業が必要とするアセットに大きな違いはない。
ジンガはトレンドを見誤って危機を迎えたが、まだまだ挽回のチャンスはある。

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