2013/07/22

大手参入がクラウドファンディング業界に与える変化 2



今Web界隈では最もHotな話題の一つであるクラウドファンディング(長いので、以下「CF」)。
2回に渡ってこの新しいマーケットと、このマーケットに起こりつつある変化について考察してきた。

関連エントリー:

本エントリーでは、既に大きな顧客ベースを持つ企業が参入した場合にCFのビジネスモデルを質的に変化させる可能性について思い当たったことを書いてみたい。

ビジネスの質的な変化

数百万人以上の巨大なユーザーベースを持つ企業がCFマーケットに参入したとしよう。
CFプラットフォームを提供している企業は小さなベンチャー企業ばかりなので、大きなユーザーベースを持つ参入企業は強気に総合系CFプラットフォームで仕掛けてくる可能性が高い。
総合系CFプラットフォームとは、特定の分野に企画を絞ったりしない、なんでもござれ型のCFプラットフォームに私が便宜的につけた名前だ。

大手の参入が活発化すると、既存プレーヤーが特定分野に特化・ニッチ化することで生き残りを図るであろうことは前回書いた。
さらに、ニッチ化したCFプラットフォームが質的変化を遂げるのではないかと私は予想している。


CFのビジネスモデルを単純化すると、プラットフォーム上で企画者が企画をプレゼンし、出資者から資金を集め、企画実行を通して変化したモノをリターンとして出資者へ返すビジネスモデルだ。
リターンとして出資者へ提供されるものは、出資額プラスアルファの金銭リターンであったり、感謝の粗品であったり、その企画が達せられることによる社会の変化であったりと、多様である。
このリターンに注目してビジネスモデルを最適化することによって、あたかも新しいビジネスモデルであるかのようにCFは変化するだろう。


例えば、勉強会や講演会のCFプラットフォーム。
勉強会を主催したい人がCFプラットフォームを使って自分の企画する勉強会を提案する。
その勉強会に興味がある、参加したいという人は出資という形でその講師を支援する。
十分な資金と賛同者が集まれば、無事勉強会を開催できるというわけだ。

講師はお金と受講生をCFプラットフォームの力を借りて集めることができる。
しかも、自分が主催する勉強会を開催する前から反響を得られるというメリットもある。


他にも、サブスクリプションコマースのプラットフォームという発展の仕方もあるかもしれない。

ご存じない方もいるかもしれないので、サブスクリプションコマースについて国内で成功している『SAKELIFE』を例に簡単に説明する。
ユーザーはSAKELIFEに毎月数千円支払い、代わりにSAKELIFEが選ぶオススメの酒を数本、毎月ユーザーへ届けるというサービスだ。
日本酒にあまり詳しくないが、これから嗜みたいユーザー、あるいは日本酒をよく飲むが、新しい日本酒と出会いたいというユーザーのニーズに応えるサービスだ。

CFのビジネスモデルは、サブスクリプションコマースとよく似たビジネスのフレームワークをしている。
ユーザーはいくらか資金を拠出し、企画者が企画(選定)し、実現したリターン(オススメの日本酒)をユーザーへ返す。
この仕組をCFプラットフォームに移せば、例えば田舎の農家がCFプラットフォームを通じて毎月資金提供を受け、出資者へ毎月新鮮な野菜を送り返すというビジネスが実現できる。
農家の収入も安定するし、出資者も安価に新鮮な野菜を食べることができる。
win-winかつ長期的な支援ができるという、理想的な仕組みなのではないだろうか。


クラウドファンディングの新しさは、目標や企画はあるけれど資金を集める方法が分からない個人を支援できる点にある。
企画もあり人脈もあって自分で資金を集める方法を知っている人はベンチャー起業なりNPO起業なりすればいい。
だが、良い企画と実行力を持っていても資金を集める方法や賛同者を集める方法を知らないがために実現できていないことが、まだまだ世の中には多いのでないだろうか。
そんな個人をエンパワリングしてくれるのがクラウドファンディングという仕組みだ。
私は社会的にも経済的にもプラスのインパクトを持つクラウドファンディングという仕組みに大いに賛同するし、とても期待している。 



photo credit: epSos.de via photopin cc

0 件のコメント :

コメントを投稿

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...