2013/07/02

海外企業との交渉 コツとタブー 4



3つのエントリーにまたがってお送りしてきた海外企業との交渉特集。
いよいよ今回のエントリーでまとめとしたい。
最後のエントリーでは、海外企業との難しい交渉を乗り越えるためのコツをいくつか紹介して筆を置きたい。


■難しい交渉を乗り越えるコツ■

・言葉や条件は徹底的に解釈を合わせる

前回のエントリーでもありがちな失敗としてあげたのが、定義やい解釈のズレによる交渉の停滞だ。
相手側とこちら側である単語や文書の解釈に相違がある場合、その解釈のズレを解決しない限り先へは進めない。
無理に進もうとすれば、あとになって大爆発するかもしれない爆弾を抱えたまま行進していることになる。

この問題への解決策はとても単純だ。
解釈の争点となりそうな言葉やフレーズをとにかくその都度解釈を合わせていく、という作業を徹底するのだ。

このとき、必ず後から見返せる形でエビデンスを残すことをサボってはいけない。
日本人と日本語の交渉であったとしても解釈を巡って言った言わないという水掛け論になるのはよくあることだ。
これを文化の違う人々と違う言語で解決させるのは非常に骨が折れる。

だから、解釈の争点になる単語やフレーズはエクセルか何かでリスト化して、必ず相手と共有することを徹底しよう。

・課題リストの交換

あなたが海外との交渉初心者だからといって、経験豊富な相手が自分に合わせて取り計らってくれることを期待してはいけない。
あなたの交渉相手はあなたと同じくらい異文化とのコミュニケーションに慣れていないのかもしれない。
だからこそ、異文化の相手との交渉は間違いが起きないよう地味なことをコツコツと積み上げる努力が不可欠。

課題リストの交換もその一つだ。
課題リストには交渉相手への要求や交渉相手からの要求、解決しなければならない問題を記述した表だ。
この表には、課題の内容が一目でわかる項目名、誰が見ても意味がわかる詳細記述、課題のステータス、解決予定日が最低限必要な項目だ。
さらに、双方のやり取りをサマライズして日付を入れて追加していくと、どのような議論が行われていたかが第三者にも分かるエビデンスとなる。

口頭でも電話でも、交渉したのならばその後に必ず交渉内容を課題リストにアップデートして相手と交換しよう。

・共通の敵を作る

この方法は下手を打つと相手の信頼を失ってしまう危険性も持ちあわせるが、それでもとても有効なテクニックだ。

タフな交渉を行なっている際に、そのタフな状況を生み出している原因を直接交渉に参加していない人や部門に押し付ける。
すると、心理的に自分と交渉相手が同じテーブルの反対側に向き合って座っていた関係性から、無理難題を言う誰かと対峙して同じ側に並んで座っている関係性に変えることができる。
自分の取り分を少しでも増やすために競う敵から、共に問題を解決するための仲間に変わるのだ。

このテクニックがなぜ重要なのかというと、窓口担当者であるあなたの信用を守るからだ。
あなたが社内の意見を代表として述べているただの代理人だとしても、あなたの口からタフな要求が繰り返し発せられれば、相手はあなたと交渉するときに身構えてスキを見せないように常に戦闘的な態度をとるだろう。
あくまでも同じ目的を持って共通の課題を解決したい仲間だ、という印象を相手に持ってもらうために自分も第三者に無理難題を押し付けられているという構図を交渉相手に見せるのだ。
するとあなたへの信頼は高まり、あなたの提案や意見にも交渉相手が耳を傾けやすくなる。

その第三者は例えば自社の上司だったり、コンプライアンス部門だったり、バリエーションが考えられるが、いずれにせよ自社の人にしておくことが無難だ。
だがこのテクニックを使い過ぎると、ただの調整能力のない無能だと取られる可能性のある両刃の剣でもあるのだ。


私が経験則から得た海外企業との交渉で重要なポイントを4回に渡って書いてきた。
少しは参考になっただろうか。
海外企業相手と言いながら、国内企業が相手の場合となんら変わらないじゃないか、と思われたかもしれない。
その印象はまったく大正解で、相手が海外ならなおさら基本的なことを確実に行うことが大切なのだ。

photo credit: screenpunk via photopin cc

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