2013/07/25

コスモス薬品の正攻法は綺麗な財務諸表に現れる




ドラッグストアは競争の激しい業界の一つだ。
日本国内どの地域にもその地場で強いチェーン店のドラッグストアがある。

コスモス薬品は、九州に根付いたドラッグストアのチェーン店だ。
売上高は3300億円で、マツモトキヨシ、サンドラッグの1位2位につ次ぐ3位集団5社の一角を占めている。

コスモス薬品IR資料

コスモス薬品は九州で培った低コストオペレーションによる安売りを武器に、他の3位集団競合他社を勢いで圧倒している。
直近5年では毎年約50店舗以上増やし、毎年10%以上店舗数を増やしている。
週に1店舗オープンしている計算だ。

店舗数も売上も大きな成長を示しているが、その戦略はとてもシンプルなドミナント出店戦略だ。
急拡大を目指すときにありがちなM&Aを使った店舗網拡大手段は決して取らないのだそうだ。

ドミナント出店戦略は、米ウォールマートやスターバックスが採用した出店戦略で、知っている人も多いかもしれない。
チェーン店はある狭い地域で自社チェーン店舗の商圏が重なるくらい多くの店舗数を、短い期間で一気に出店する戦略だ。
コスモス薬品も自社チェーンの店舗間の競合をあえて引き起こしてでもドミナント戦略を実直に実行しているのだと言う。

その目的は、第一に物流コストを下げること。
ある地域に固まって店舗があれば、物流トラックは離れた店舗を回るよりも効率よく配送することができ、コストが下がる。

次に、店舗自体の宣伝効果が高まる。
都内ではスターバックスが一駅に何店舗も出店していることを発見する。
それだけ店舗数が多くなると、店舗の看板自体に宣伝効果が生まれるため、宣伝広告にさほどお金をかけずとも広告効果を得られる。
チラシのコストを下げる効果もあるという。

コスモス薬品IR資料

M&Aでの拡大と違い、ドミナント戦略で地道に力をつけてきたコスモス薬品の財務諸表は、それを反映してとても健全な状態を示している。
店舗数推移に近い比率で売上高も伸びているが、それに合わせて経常利益も同じ水準を保って伸びてきている。
更には、フリーキャッシュもやはり同じ水準で伸びてきており、拡大すればするほどキャッシュも増えて出店余力が高まるという好循環に入っている。


M&Aであればもっと速いペースで一気に拡大できたかもしれないが、反動でキャッシュフローの流動性が落ちたりして成長が一過性になってしまう場合もある。
コスモス薬品の成長は、まず真っ当な拡大戦略があるのであれば、M&Aのような劇薬に手を出す前に徹底的にその戦略を推敲すべきである事を示している。

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