2013/08/14

ファナック失速の危機とリスク回避事業戦略




2013年に入って、工作機械を製造しているファナックの商況が芳しくない。現在の商況悪化の大きな要因は、iPhone頼みだったロボマシン事業の不調だ。

念のためファナックをご存知ない方のために簡単に同社を説明しよう。
ファナックは製造メーカー向けに製品加工機器や製品加工用のロボットを製造販売している国内有数の優良企業だ。何がすごいかというと、その驚きの利益率だ。製造業にも関わらず、2013年度は5400億円近い売上で40%以上の経常利益を叩きだすという恐るべき超優良企業なのだ。

しかし、その超優良企業も事業戦略の見直しを迫られる危機に面している。

参考:


その危機を招いているのはタイトルにある通り、iPhoneに大きく依存していたロボマシン事業の売上減だ。
ロボマシン事業はファナック全体の売上の36%を占める大きな事業だが、昨年下期から受注が下がってきているというのだ。その一因がiPhoneのアルミ筐体を加工するのに使われるロボドリルだ。昨年まではiPhone製造を担っている鴻海が、年間869億円にのぼる取引規模を持つ安定供給先だったが、半年ほど前から聞こえ初めたiPhoneの苦境に伴い、ロボドリルの需要が減少しているのだ。


ファナックが直面している機器の原因は2つある。

まずはiPhoneへの依存度の大きさだ。iPhoneの売れ行きに全事業の16%の売上がかかっているというのは結果論ではあるが依存度が高かった。
ファナックはスマートフォン領域のバリューシステムに踏み込むのであれば、iPhoneだけでなくAndroidのライバル機種の製造ロボットでももっと存在感を示しておくべきだったのかもしれない。そうすれば、iOSのシェアがAndroidに奪われたとしても、ファナックとしては安泰であったはずだ。

次に、iPhoneが売れていたとしてもモデルチェンジによりアルミ筐体の加工工程がなくなるというリスク。時期iPhone発表では、廉価版としてプラスチック筐体のiPhoneの発売が噂されている。アルミ筐体の加工ではどれだけファナックが競争優位性を保持していても、アルミ筐体自体がお払い箱になってしまえばファナックのロボドリルは不要になる。
前述と同じ事だが、ファナックはスマートフォン領域においてプラスチック筐体の加工機械に力を入れておくべきだっただろう。そうすればiPhoneの筐体が変わったとしても対応できるし、プラスチック筐体がメインのAndroid端末にも対応できた。


ファナックの経営戦略に問題があったとは思わない。しかし、今のようにiPhoneの人気が下がることも考慮してiPhone以外のスマートフォン製造でも存在感を示しておくべきだった。
リスク回避のための事業戦略という意味では、とても有用なケーススタディだ。



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