2013/08/05

ビジネス立ち上げの示唆に富むブーケミー

bouque.meウェブサイトより


サムライインキュベートは、スタートアップベンチャーへ投資しつつスタートアップに不足しがちな経営リソースを提供するというビジネスモデルの企業だ。自社もベンチャーでありながらベンチャーキャピタルとインキュベーターの機能を提供するという日本ではなかなかユニークな存在だ。
そのサムライインキュベートが提供している「ブーケミー」というサービスが、新規事業企画・開発の示唆に富んでいる。



ブーケミーというサービスは、結婚式の二次会を任された幹事向けのサービスだ。
結婚式の二次会の幹事はみな共通のある悩みを抱えている。それは、出席としておきながら当日ドタキャンする参加者の存在だ。ドタキャンはする側にも言い分があって仕方のないことではあるのだが、キャンセルした人が欠席した二次会の費用を払ってくれるとも限らないし、キャンセル分をお店が引いてくれるとも限らない。現実的には新郎新婦が不足分を負担することが多いのだとか。

ブーケミーはこの問題に対してシンプルながら強力な解決方法を提案している。
それは、二次会参加の事前出欠確認をウェブで行い、出席する人からはその場でクレジットカード決済するという仕組みだ。確かにこうすれば会費を取りっぱぐれることはまずなくなる。参加者する側としても、もともとドタキャンするつもりで参加表明するわけではないのだから心理的な障壁が高いわけでもない。見事に二次会幹事や新郎新婦の問題を解決する仕組みであって、普及する可能性はある。

さらに私が関心したのは、手段とターゲットが見事にマッチしている点だ。ネット普及率は高くてもクレジットカード利用率の低い日本では、100%全ての二次会参加者がこの仕組を使用するとは思わない。それでも結婚式二次会参加者というターゲットには非常にマッチしている手段なのだ。
結婚式参加者は老若男女問わず幅広い参加者がいる。これは当たり前の話だ。だが、二次会となるとほとんどが新郎新婦と同年代の若い友人や同僚になり、ウェブサービスの利用やネットでのクレジット決済に抵抗を持たない人が多い世代になるのだ。利用者と手段がドンピシャにマッチしたのだ。

新規性の高いサービスは、社会のペイン(痛み=課題)に対してウェブなどを利用した新しい解決方法を提案するが、利用者と手段の親和性が低くて普及しないという失敗ケースが多い。実はブーケミーの最初のサービスはご祝儀を結婚式の前にもらって若いカップルが結婚式を挙げやすくする、というものだった。しかし、やはり親戚に多い高齢層の参加者への配慮からこのサービスは選びにくかったのだろう、普及しなかったのだ。サムライインキュベートは有機的にビジネスを変更し、二次会にサービスを絞り込んだおかげで支持を受け始めた。


ブーケミーは社会のペイン(二次会のドタキャンでお店への支払い額が不足する)を定義し、大まかな解決の方向性(二次会費用を先払いにする)を考え、新しい手段(ウェブで出欠確認&ウェブで会費をクレジット決済)を当てはめるという道筋でこのビジネスを開発したのだろう。そして、ご祝儀の前払いでは手段とターゲットがマッチしなかったために一度は失敗したが、もう一度ビジネスの対象を絞り込むことで利用者と手段がマッチし、サービスが好評を得るに至った。リリースしたサービスがはじめは不評でも、軸足を変えずにピボットして成功するまで粘り強く続けるというのは新規事業の開発において重要な態度だ。

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