2013/09/24

くまモンは版権フリーとプロモーション戦略でいかに1000キャラ入り乱れたご当地キャラ戦争を勝ち抜いたか 1

くまもん

くまモンは言わずと知れた熊本のマスコットだ。
熊本という日本の中では少々マイナーな県でありながら、熊本と関係あるなしにかかわらず、いろいろな商品にその商標と意匠が利用されている。それゆえ他のご当地キャラよりも知名度が高く、意匠を利用したキャラクターグッズによる経済効果も大きい。

全国には1000近いゆるキャラがありながら、そらで思いつくキャラクターはそれほど多くないはずだ。なぜくまモンは1000もの競合が存在する市場の中で、これだけ有名になることができたのだろうか?

版権フリーのくまモン

くまモンが知名度を獲得した理由は愛嬌のあるキャラクターやいろいろな商品に応用しやすい汎用的な意匠であるなど様々な理由があるだろう。しかし、大きな理由の一つは版権の商用利用がフリーであることにあるだろう。そして、そのアドバンテージを上手く活かしたためだと考えられる。

くまモンの版権は熊本県の許可を取得しさえすれば無料で利用することができる。
キャラクターが重要な役割を占めるぬいぐるみや携帯ストラップのような商品では、全国的に知名度のあるキャラクターを利用できるというのはとても大きなメリットだ。元からある程度の知名度があるという前提は必要になるが、一度キャラクターが商品に利用され始めると、それによって知名度が上がり、もっとキャラクターを利用したがる企業が増えるというスパイラルに入る。
このポジティブなスパイラルを生み出すことを予めプロモーション戦略に埋め込み、その手段としてくまモンの版権はフリー化されたのだろう。

版権使用料フリーだけが武器か?

版権フリーのキャラクターはくまモンだけではない。
ゆるキャラ業界ではくまモンと同等の知名度を持つひこにゃんも版権使用料フリーであるし、知名度ではくまモン、ひこにゃんに遠く及ばない版権使用料フリーのゆるキャラも存在している。
同じ版権使用料フリーでありながら、知名度に大きな差が出てしまう理由はなんだろうか。

前述のポジティブなスパイラルを生み出すためには、元々の知名度と消費者から好意的なイメージを持たれていることが重要だ。愛されるキャラクターと版権使用料フリーの両輪があって初めてポジティブなスパイラルが生まれるのだ。
くまモンがこのポジティブなスパイラルを生み出す事ができた理由には、熊本県のPR部門のしたたかなキャラクター設定とプロモーション戦略があったからだ。

■くまモンのキャラクター設定が優れている理由

くまモンやひこにゃんなど、正統派(カワイイ系)のゆるキャラにはいくつかの共通点がある。

まず分かりやすい命名。
いかにひねられた名前であっても、それがどこの県や市町村なのかが分からなければ意味がない。いくらキャラクターが有名になっても、消費者の頭の中でキャラクターとご当地がセットで記憶されなければPR効果は得られない。
だからこそ、ゆるキャラの名前は分かりやすくご当地を想起しやすいものであることが重要だ。

その点、熊本はとても恵まれていた。
なぜなら、キャラクターのモチーフは動物が担うことが多いが、熊本には「熊」という文字が含まれている。だから熊のキャラクターでご当地キャラと聞けばかなりの確率で熊本を思い浮かべるはずだ。
熊本県はその県名を下手なひねりを入れずに上手く活用して「くまモン」という「くまもと」と一字違いのキャラクター名を名づけた。


人気の出るゆるキャラのもう一つのポイントはキャラクターのシンプルなデフォルメ化だ。
人気のあるゆるキャラを見ると、大体が極端にデフォルメされたある種没個性的な見た目をしたキャラクターであることが多い。それがなんとも「ゆるい」感覚を滲み出させている。

くまモンは熊をこれでもかというくらいシンプルに表現した線の少ないキャラクターであるし、ひこにゃんも猫がカブトをかぶって刀をもっただけのシンプルなデザインだ。
日本人のデザイン完成の優れたところはデフォルメ化だという人もあるが、まさにそれが体現されているのがゆるキャラだ。

没個性的でどのような商品やプロモーションに使われてもしっくり来るからこそ、版権使用料フリーという武器と相まって、いろいろな商品に登場することができるのだ。


続きはパート2にて。


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