2013/09/11

ドトールの戦略転換は功を奏するか 2

ドトール




前回に引き続き、ドトールの新戦略店舗「白ドトール」について考えてみたい。

ドトールの新戦略

ドトールの新戦略は、カフェという大きなマーケットのトレンドに合わせたものだ。
カフェの新しい価値として、ゆったりと過ごす空間、第二のリビングルームのような役割が定着してきている。実際、今メインストリームにある大手カフェチェーンはこのセカンドリビングルームとしての価値を提供しているところばかりだ。

ドトールの新戦略は、まさにこの変化に食らいついて行こうというもので、セカンドオフィス、セカンドリビングとしての店舗の充実化を掲げている。
具体的な取り組みとしては、セカンドリビングとしては狭苦しい今のドトールよりもゆとりのある空間を作ろうとしており、出店数を増やすことよりも既存店の敷地を大きくすることを重視している。そしてセカンドオフィスには欠かせない無線LANの構築も行うそうだ。

その一方で、コーヒー一杯150円からという安さが売りの価格帯変更を検討しており、同時にメニューの充実も考えているようだ。
こうした新しいコンセプトで作り出した新生ドトールは、「白ドトール」として新たなブランドでスタートするそうだ。

ドトール新戦略は顧客イメージへのチャレンジ

果たしてセカンドリビングとしての価値を高めようというドトールの新戦略は上手く行くのだろうか。

まずドトールの現状だが、このカフェチェーンの魅力はなんといってもその価格の安さだ。ドトールへ来店する顧客の動機としても安さを一番にあげる人が多い。
誤解を恐れずに言えば、こうした顧客はテイクアウトニーズを除けば安く長居できるという点に魅力を感じている人が多いはずだ。

こうしたポジショニングにあるドトールが、高級路線の白ドトールへと変貌を遂げるとどうなるだろうか?恐らく安く長居することを目的にしていた顧客は裏切られた気分になり、マクドナルドやカフェベローチェなど安価に長居できる他の選択肢へなだれ込むことになるだろう。
価格が変わればその商品の意味付けが変わる。今までドトールを愛用していた人にとって、価格がスタバ並になってしまったドトールはドトールではないのだ。


現在ドトールを愛用している人達は安価である代わりに狭苦しいテーブルと硬い椅子に我慢できる人達であった。では、高価でも広々としたスペースで居心地の良い空間を提供する白ドトールに来るのはどんな顧客だろうか?

この問いは即ち新しい競合はどこになるのかという問いだが、顧客の頭の中ではやはりスタバやエクセルシオール、ルノアールと比較されることになるだろう。今後はコーヒー一杯に300円以上支払っても構わないからゆったり過ごせる空間がいいという顧客が主要なターゲットになるだろう。
これまでのドトールもこれらのカフェと競合していたが、値段が安いという分かりやすいアドバンテージだったので、価格に反応する顧客が訪れた。しかし、今後は低価格という差別化要素が弱まったことになる。こうした状況下で、明確な差別化要素をターゲット顧客へ提示できるか、そしてセカンドリビングでゆったりしたいというニーズを持っている顧客の頭の中に、白ドトールは選択肢の一つであることを想起してもらえるかが成功を決定する要因になるだろう。

ドトールではホットドックなどの軽食が比較的充実しているが、白ドトールではさらにフードメニューを充実させようとしているようだ。これは新たなセカンドリビングカフェの競合と差別化するには良い選択かもしれない。


ドトールの戦略転換は安価というドトールの強みを失わせる可能性があり、競合との差別化ができなくなってしまう可能性をはらんでいる。
だが、新しい戦略的店舗を白ドトールとし、現在のドトールと差別化したのは賢明だ。顧客の頭のなかで、二つのカフェが別物として認識される可能性が高いからだ。新戦略が成功するかどうかは、人々の頭のなかでゆったり過ごしたいときに白ドトールという選択肢がすっと浮かんでくるか否かにかかっている。

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