2013/10/01

トレンド転換点に現れるブランドシフト

ブランドシフト

SNSというビジネスは利用者数、売上の規模共に非常に大きい規模であるにも関わらず、あらゆる業界の中で最も変化の早い業界だ。昨日までナンバーワンプレイヤーだったサイトが気づけばあっという間に2番手以降に甘んじていることがある。そんな気の休まらない業界だ。

そんな大きな変化は、多くの場合世の中の大きなトレンドの転換期に現れる。トレンドの転換点ではブランドシフトが発生しやすいのだ。

国産SNSの栄枯盛衰

2011年、日本マーケットにおけるSNS黎明期には国産のMixiがナンバーワンSNSであった。しかし、気がつけば海外から現れた実名SNSのFacebookに2012年後半に逆転され、圧倒的な差をつけられて、2013年の4−6月期には上場来発の赤字を記録している。

ある調査によると、Mixiのアクティブユーザー数はFacebookの1/4にまで減っているとされ、2年前には大学生の97%が使用していたのに対し、直近の調査では大学生のMixiユーザーはわずかに2%と実質的に大学生が全く利用しないSNSになってしまった。2011年にはMixiの笠原社長はFacebookのアクティブユーザー数はMixiの1/8程度で大きな影響はないだろうと発言していたにも関わらず、わずか2年で逆転され大きく引き離された。


中国SNS市場での同様のケース

Mixiと似たような減少は14億人の人口を抱える中国でも起きている。

中国で初めにSNSを広げた老舗SNSサイトは2005年に清華大学の構内SNSとしてサービスが開始された人人網であった。Facebookの機能やインタフェースを真似ていることで有名だが、サービス開始の経緯もまるでFacebookのようだ。サービス開始から8年たち、日本の人口を超える1.6億人のユーザーを抱えている。

しかし、人人網はMixiと同様後発のSNSにあっというまに追いつかれ、今では圧倒的な差をつけられる道筋を辿った。
後発である腾讯の微信は2011年1月にサービスを開始すると、2011年中に5000万人、2012年中に2.5億人を突破し、現在では4億人のユーザーが居るとされ、人人網をあっさり抜き去った。立った2年ちょっとで先行サービスの規模を抜き去り、ダブルスコアを叩きだしたのだ。それにしてもスケールのでかさがさすが中国だ。

トレンド転換点の敗者たち

Mixiにしろ人人網にしろ、短期間の間に後発に追いつかれ追い抜きさられたのには理由がある。
それは、モバイル化という大きなトレンドの変化についていくことができず、時代の波に乗り込まれてしまったということだ。

MixiがSNSの主戦場がスマホに移るのを横目で見ているうちに、ライバルであるFacebookやTwitter、LINEは一気にモバイルマーケットになだれ込んだユーザーを獲得していった。特に、大学生の間でスマホシフトとそれに付随するSNSのブランドシフトが顕著であり、TwitterとLINEがMixiから大学生のコミュニケーションツールの座を奪い去った。その結果が、大学生のMixi利用率2%という今の惨状なのだ。

決してMixiもモバイルシフトを黙ってみていたわけではない。2009年後半にはモバイルアプリを提供し始めていた。しかし、モバイルアプリを出すだけでは大きな時代の変化の中で起きたTwitter・LINEへのブランドシフトに対抗できなかったのだ。


SNSという最もスピードの早い世界では、わずか2年の間に最大手がローンチしたばかりの新サービスにひっくり返されることが往々にしてある。かつて数十年単位で起きていた業界内のトッププレイヤー入れ替わりが、いまや2年間で起きるのだ。
移り変わりの早い業界に身を置いているプレイヤーは、時代のトレンドの変化点におけるブランドシフトには常に注意していなければ明日はない。


photo credit: emdot via photopin cc

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