2013/10/15

iPhone 5Cはマーケットを見失ったAppleを象徴しているのか


Apple

iPhoneと言えば、3GSか4あたりまではスマートフォンマーケットのナンバーワン機種であった。iPhoneを選んだ顧客の数だけでなく、機能性や安定性、そして何よりデザイン性という意味で。
だが、最近のAppleの商品戦略を見ていると手痛い失敗をおかしているように見える。


Vator Newsによると、10月10日頃、一日30万台生産されていたiPhone 5Cが突如15万台まで生産台数を落とされたという。まだ発売開始されたばかりにも関わらず約半分に生産量を落とすというのは驚きだ。よほど5Cの売れ行きが悪いのではないかと噂されるのは無理もない。
しばらく先までの在庫が十分に整ったということで計画通りなのかもしれないが、このニュースによると5Cの販売台数は初めの一週間で5Sのわずか1/3でしかないという。すると、やはり5Cがあまりにも売れないので生産台数を落としたという説が色濃くなる。


5Cがこれほど振るわない理由は、明確なターゲット設定を欠いているかターゲットに対する正しい分析ができていないことにあるだろう。
もともとiPhoneが販売開始された当初、そこにはスマートフォン市場という確固たる市場はなかった。マーケットが新しく生まれるアーリーステージでは、ハイエンド商品やローエンド商品という区分はほとんどの場合存在しない。なぜならそれを求める人はそれが欲しくて仕方がない人たちだからだ。しかし、スマートフォン市場がそうであるように、マーケットが成熟してどうしてもスマートフォンが欲しいというアーリーアダプターからみんなが持っているから欲しいというマジョリティに浸透すると、ハイエンド商品・ローエンド商品という異なる商品を求める客層に分かれてくるものだ。

Androidスマートフォンは多数のメーカーが商品をリリースしているため、自然とハイエンド志向、ローエンド志向の両方のニーズを捉えることができた。一方、Appleは長らく商品ラインをiPhoneという単一製品に集中していたため、このニーズに答えることができなかった。Appleの単一商品戦略はアーリーステージのマーケットでは効果が抜群だったが、マーケットの進化に遅れてきている。


そこに投入されたのがローエンド志向と目されていたiPhone 5Cだ。だが、5Cはハイエンドである5Sよりもわずか$100安いだけで、Androidのローエンド商品と比べるとはるかに高価で、ハイエンドのスマートフォンに近い価格帯だ。本当にローエンドマーケットに踏み込むのであれば、2世代程度古いスペックで構わないので、5Cは5Sの半分程度の価格でリリースされていればローエンド志向の顧客にも受け入れられただろう。Appleの高級品というブランド価値を損ねたくなかったのだろうが、中途半端な違いでは顧客が許してくれなかった。


5CでiPhoneの製品ラインを2本に分けたのはAppleにとっては英断だったのかもしれない。だが、顧客が認識してくれない違いではラインを2本に分けるのはコスト増でしかない。
複数の製品ラインを持っている、あるいはこれから作ろうとしているビジネスパーソンにとっては良いケーススタディになるだろう。

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