2013/10/06

SNSを使った新しい消費者調査「MROC」


SNSを活用した新しいマーケティングリサーチが登場し始めている。
SNSを使った消費者調査は、マーケティングリサーチオンラインコミュニティ(MROC)と呼ばれ、楽天リサーチなど国内のマーケティング・リサーチ会社も参入し始めているようだ(日経MJ 2013/9/4 P.3)。

個人がSNSで自由に意見を取り交わすようになった時代の変化に合わせて生まれた新しいリサーチの形であり、今後定性的なマーケティングリサーチの主流なリサーチ手法になっていく可能性を秘めている。

従来の消費者調査の問題
従来のアンケートやインタビューといったリサーチ手法はこれまで主流のリサーチ方法であり、今後も引き続き利用されることは間違いない。しかし、様々な問題を抱えている。

質問票を使ったアンケートは消費者調査のリサーチ手法としては最もよく利用されている手法だろう。調査員が立ち会う必要がないのでコストが安く済むし、定量分析しやすいフォーマットなので、アンケート結果から何らかの結論を生み出しやすい。

その一方で、どうしても設問のワーディングによって回答者が影響を受けやすいという弱点がある。例えば、「この本は面白かったですか」という二択問題の質問と、「この本はつまらなかったですか」という二択の質問では、同じことを聞きたいのに回答の結果が変わってくる可能性が高い。つまり、質問の作り方によって結果が大きく影響されてしまうのだ。
また、消費者がアンケートに記入した答えに至った経緯や過程を知ることができないという難点もある。


インタビューも消費者調査でよく利用される手法の一つだ。
インタビューの利点は、一人ひとりの回答者についてアンケートよりももっと深いレベルで知ることができることにある。アンケートでは課題であった、ある行動に至った経緯や過程も聞き出すことができる。

しかし、インタビューにももちろん問題があり、インタビューワーとの対話の中で、インタビューワーの期待に対して答えようとする心理的なバイアスが働いてしまう。ある商品についてのインタビューを、その商品を作っている会社の人が行っている状況を想像してみよう。インタビューを受けているあなたは、その商品を作っている人を目の前にして、ポジティブな意見とネガティブな意見、どちらが言いやすいだろうか?普通はできるだけ良い点をあげようとするだろう。

もう一つのインタビューの欠点として、コストと時間をあげなければならないだろう。

MROCとは
次にMROCのリサーチ手法について概要を説明する。
MROCでは企業ごとに調査用のSNSを立ち上げて、そこに数百から数千人規模のユーザーを参加させる。このサンプルを集めるのは恐らくリサーチ会社の仕事になるだろう。

コミュニティができたら、企業の担当者はコミュニティに対して質問を投げかけ、ユーザー間のコミュニケーションを促す。ユーザー同士の自由な議論を分析することで、ユーザーの心理やどのような背景によって商品の購入という判断に至ったのかを知ることができる。

MROCの強み
この新しいリサーチ手法の強みは、第一にコストの安さがあげられるだろう。言うまでもなく、数百人~数千人単位でユーザー同士にコミュニケーションをさせてその過程をモニターしようとすれば膨大な予算が必要になる。しかし、SNSという特性を上手く活用することによって、コストを格段に安くすることができるのだ。

また、ユーザー間の相互コミュニケーションをモニターできる点は他のリサーチ手法にはない強みだ。どういう経緯で人から影響されて商品を購入するのか、またはどのようなコミュニケーションと心理変化でブランド評価が上がるのか、モニターすることができる。グループインタビューという手法を使えば同じ結果を得ることができるのだが、ユーザー間の影響をグループインタビューの1時間とかではなくて数週間、数ヶ月という単位でモニターするのはMROCでしか現状できないだろう。


新しい商品や事業を作る役割の人にとって、消費者調査は切っても切れない関係にある。私自身、速くこのMROCというリサーチ手法で消費者のインサイトを調査してみたいと考えている。

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