2013/10/31

Yahooパスマーケットを開始したYahooの目論み 1


Yahooパスマーケットというサービスが今年2013年の4月にローンチされた。
ここ数年で続々サービスが増えてきたイベントオーガナイズサービスだ。イベントオーナーはこのWebサービスを利用してイベント告知ページを作成し、有料・無料のチケットを販売、流通させ、参加者を管理することができる。イベントに参加する側のユーザーは、そのサービスのアカウントを作成するか、FacebookやTwitterアカウントと連携させることでチケットの申し込みが可能になるという仕組みだ。

イベントオーガナイズサービス事業者は、イベント主催者の登録時に課金したり、有料チケットの販売に10〜25%程度の販売マージンを課すという収益モデルを持っている。比較的簡素でサーバ負荷も低いサービスなので少人数、低コストで運用できるWebサービスだ。

汎用性が高くスケールしやすいサービスではあるが、アーティストのコンサートや常設展のある美術館のように、安定した収益が見込めるが既存プレイヤーや自社販売が根強いマーケットを取り込まなければ売上はあまり大きくならないだろう。だからこそ、イベントオーガナイズサービスに参入するのはスタートアップが多い。


このイベントオーガナイズサービスにネット界の巨人であるYahooが乗り込んだ。その理由はなんだろうか?

単純な売上目的

売上を嵩上げする目的はあるだろう。
先に述べたとおり、既存のチケット販売プレイヤーからクライアントを奪わなければ売上を増やすのが難しいサービスではある。しかし、Yahooはネット業界の中でも一番の老舗でブランドがあるうえ、Yahooのポータルサイトという優秀でクライアントにとって魅力的な集客装置があるので、既存プレイヤーからドル箱クライアントを奪うことができるかもしれない。

イベントオーナーにとって、Yahooポータルという集客力のある窓口で販売できることは大きな魅力だろう。

新規ユーザーの獲得

Yahooのユーザーは多い。
たまにポータルサイトを訪問するだけの人も含めれば、ネットユーザーの大半がYahooユーザーといえるだろう。しかし、Yahooアカウント所持者となれば割合が減り、プレミアム(クレジットカードを登録している)ユーザーともなればぐっと減るだろう。

Yahooはパスマーケットに参入することで、このプレミアムユーザーを増やすことができるかもしれない。
ユーザーがプレミアムアカウントに登録する動機としては、言うまでもなくYahooの有料サービスを利用したい、Yahoo経由で何かを購入したいという動機がある場合だ。イベントオーナーは管理の都合上、一つのイベントオーガナイズサービスしか利用しない可能性が高く、どうしてもそのイベントに行きたいユーザーは喜んでYahooプレミアムアカウントに登録することになるだろう。


取り扱うイベントが増えれば増えるほど、新しいプレミアムユーザーを吸引する力も強くなり、大きな相乗効果を生み出す。
この効果を狙ってか、Yahooは非常に単価の安い課金モデルで参入している。先行サービスは大体10-20%程度の有料イベントマージンを課しているがYahooパスマーケットは登録料無料、有料イベントマージンは5%という低価格を設定している。

この低価格戦略は、明らかにイベントオーナーを惹きつけ、イベントオーナーの先にいる未来のYahooプレミアムユーザーを獲得しようとしている。WebサービスのコングロマリットであるYahooだからこそ、パスマーケット単体の収益性に拘る必要がなく集客に集中することができる。大手がこの戦略に出ると、スタートアップは辛い立場に立たされる。

最近のYahooは、YahooオークションやYahooショッピングの出店・出品手数料無料化といいパスマーケットといい、プレミアムユーザーの獲得に相当力を入れていることが分かる。




0 件のコメント :

コメントを投稿

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...