2013/11/11

レンタルビデオの中小事業者はイノベーションに駆逐された 1/2

Blockbuster
破綻したBlockbuster

ビジネスの世界は冷酷なもので、新しいテクノロジーによってそれまでメインストリームだったビジネスがあっさり破壊されてしまうことが良く起こる。旧世代ビジネスと新世代ビジネスが見事に選手交代した最近の例が、レンタルビデオ事業だ。

つい10年かそこら前までは、レンタルビデオ屋は確固たる地位を築く堅実な商売であった。
かつては、レンタルビデオ店に映画を借りに行くというのが今よりも一般的な娯楽として定着していて、多くの中小レンタルビデオ店が繁栄していた。それが今や、単独店舗や数店舗のチェーンはほぼ生き残ることができず、ほぼTSUTAYAとGeoのメガチェーンが唯一生き残っている存在だ。時期を同じくして、米国でも超大手レンタルチェーンであったBlockbusterも廃業に追い込まれてしまったことは記憶にあたらしい。

レンタルビデオ店という業態は一体だれに駆逐されたのだろうか?いくつかの複合的な勢力のせいなのだが、2004年前後頃にピークにあったP2Pファイル共有ソフト、新しいメディアとして定着したYoutubeなどの動画ストリーミングサイト、そして、ここ数年で定着してきたオンライン型の映画レンタルサービスやオンライン音楽・映画ショップだろう。

第一の波、P2Pファイル共有ソフト

15年ほど前から流行し始めたP2Pのファイル共有ソフトがレンタルビデオ業態破壊の第一章の幕開けだったと言っていいだろう。

米国から流行り始めたナプスターに始まり、日本ではWinMX、そしてWinnyでほとんどどんな音楽も映画も海賊版を無料でダウンロードすることができた。第一の被害者はレンタル事業者よりもCDやDVD・VHSを販売していた音楽レーベルやDVD販売会社だろう。だが、仕事や遊びの間にファイル共有ソフトでダウンロードしておけばいいのだからとレンタルビデオ店に行かなくなった、あるいは利用頻度が減った人も多かっただろう。

第二の波、動画ストリーミングサイト

次に深刻なダメージを与えたのはYoutubeなどの動画ストリーミングサイトだ。

Youtubeを皮切りに、いろいろな動画ストリーミングサービスが生まれ、海賊版映画や音楽がアップロードされた。初期に比べれば今は著作権対策が行われるようになってきてはいるが、それでもやはり著作権に違反している動画はいくらでも見つけることができる。特にネットの世界に国境はないため、海外のサーバに開設された動画サイトの著作権違反動画の駆逐は非常に困難だ。

しかも、レンタル事業者にとって大きな衝撃だったのは、音楽業界や映画業界が動画ストリーミングサイトと協業し始めたことだ。今やYoutubeでは音楽レーベルお墨付きのMVが高画質で楽しむことができる。さすがに映画の本編を垂れ流しということはないが、少額の課金で映画のフルバージョンを閲覧することもできる。音楽業界や映画業界とすれば、著作権を支払ってくれるのは動画サイトだろうがレンタル事業者だろうがどちらでも良い。むしろより多くのユーザーに到達できる可能性の高いネットに傾倒するのも無理はない話だろう。

こうして手軽に音楽や映画を楽しみたいというライトユーザーのパイを、動画ストリーミングサイトに奪われてしまった。



次回へ続く。

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