2013/11/21

規模というアセットと、後追いという戦略で他を圧倒するセブンイレブン・ジャパン 2/4

セブンイレブンのロゴ

セブンイレブン・ジャパンの強さを読み解く本シリーズ。
前回のエントリーでは2位以下とは彼岸の差があるセブンイレブンの強さを数字で確認した。このエントリーでは、セブンイレブンの強みを活かした戦略が実践されているケースを取り上げて分析してみよう。

小売のクラシックな出店戦略「ドミナント戦略」

まず、セブンイレブンの強さの原資を紐解こうとすると、ドミナント戦略とは切っても切れない関係にある。セブンイレブンが今の地位を築いた大きな要因の一つとしてこのドミナント戦略は外せない。

ドミナント戦略とは、セブンイレブン・ジャパンだけでなくスターバックスやウォールマートが実践してきた小売店のクラシックな出店戦略だ。この戦略を実践する企業は、特定した狭いエリアに大量出店する。もちろん各店がカニバラない(共食いしない)程度の距離を保って分散させつつ、できるだけ密集させることがポイントだ。

配送コスト削減と機械損失の防止

ドミナント戦略の強みは、小売の生命線である物流の効率にある。どんな業態でも、大手小売チェーンはほぼ確実に配送拠点を持っている。メーカーから仕入れた商品を一旦その配送拠点に集約し、そこから各店舗へ商品を運んだり、惣菜であれば配送拠点をセントラルキッチンにして、そこで調理した惣菜を各販売店に配送する。

ドミナント戦略は、配送拠点を中心とした店舗網をできるだけ密集することによって配送を効率化することがその戦略の肝だ。店舗が密集していればそれだけ配送トラックは移動距離が短くなり、無駄な移動時間を減らすことができる。また、惣菜のような足が速い商品でも、できるだけ長い時間店頭に置くことができる。こうしたメリットによって、配送拠点と店舗の時間的なギャップを最小化することにより、配送拠点と店舗の在庫を抑えることができるのだ。


店舗側の視点で見てみれば、店からの発注に対していかに速やかに、低コストで配送ニーズを満たすかがポイントだ。店頭在庫がタイムリーに満たされていれば、買いたい顧客がいるのに買えないという機械損失を防ぐことができるし、常に店頭に買いたいものが揃っていれば顧客の評価も上がり、来客数が増えるというポジティブなスパイラルを生み出すことができる。

コンビニのようななんでも揃うことが強みである業態は、それこそ後者の買いたいものがいつでも揃っているという顧客への約束がとてつもなく重要。セブンイレブンが実践したドミナント戦略はこうしたコンビニに求められるニーズを満たすのに成功したのだ。

店舗が密集することによる集客効果

もう一つ重要なのは定まったエリアに店舗が密集することにより、店舗そのものがマーケティング・ブランディング上の効果を持ち始めるということだ。例えばスターバックスを考えてみよう。スターバックスは1000店舗弱の店舗を日本国内で保有しているが、新宿や渋谷などでは非常に狭いエリアに6,7店舗出店している。普段の活動範囲が新宿や渋谷の人達からすれば、スターバックスがめちゃくちゃ流行っていると勘違いしても仕方がない。流行っているのは事実だけれど。

同じチェーンの店舗が同一地域に大量出店していると、その界隈を活動地域としている人達からすれば、その店舗が実際以上に流行っているように感じるし、記憶に刷り込まれる効果もあるし、知人友人からそのチェーンの話を聞く機会が多くなるだろう。


ドミナント戦略というのは、物流の効率化という効果だけでなく、顧客のマインドシェアを上げることにも効果があるのだ。セブンイレブンは早くからドミナント戦略のこうした効果に目をつけ、物流の効率を最大化しつつ、コンビニの代名詞として君臨するパブリシティ効果を得ることもできたのだ。

関連エントリー:

 

0 件のコメント :

コメントを投稿

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...