2013/11/23

規模というアセットと、後追いという戦略で他を圧倒するセブンイレブン・ジャパン 3/4

セブン&アイロゴ

コンビニエンスストア業界のトッププレイヤー、セブンイレブンの強みを分析するケーススタディ。
前回のエントリーでは小売業界の正攻法であるドミナント戦略でトップの座を射止めたことを書いた。今回は、2位のローソンよりも4割も店舗数が多いというセブンイレブンの圧倒的な規模を活かしたナンバーワン戦略を分析してみたい。

ナンバーワンプレイヤーの規模の戦略
セブンイレブンは業界3位のファミリーマートと4位のサークルKサンクスを足したくらいの規模を持つ、圧倒的な規模をもつナンバーワン企業だ。その規模を活かして、2位以下を引き離すべく次々と革新を起こし続けている。

PBと高級メーカーの限定商品
規模のメリットが活かされたのは、PBの充実だ。セブンイレブンはセブン&アイホールディングスの子会社になるが、グループ会社となるイトーヨーカドーやヨークマート、ヨークベニマルのようなスーパーと共通のPB「セブンプレミアム」、その高級版の「セブンゴールド」PBを展開している。セブンイレブン単体の規模でも1.4万店舗3兆円という圧倒的な規模があるのに、イトーヨーカドーなどのスーパーも加えると、5兆円近い売上規模を持つことになる。PBを提供する側としても、これだけの規模を持つセブン&アイと組むメリットは大きい。

規模のメリットを活用して業界を驚かせたのが、ハーゲンダッツによるセブンイレブン専用商品の供給だ。ハーゲンダッツはアイスクリームの世界では誰もが知っている非常に強いブランド力を持っており、これまで特定の小売業者向けに商品を供給したことはない。ハーゲンダッツほどのブランド力を持っているメーカーは、プレミアム価格で十分な収益を上げることができるからだ。

それでもハーゲンダッツジャパンはセブン&アイの規模に魅力を感じて、通常のハーゲンダッツよりもさらにプレミアム感の高い限定商品を供給することにした。

日経MJ2013/11/15 P.5−−−−−−−−−−−−−−−
ハーゲンダッツが特定の小売チェーン向けの専用商品を出すのは初めて。かつてセブンイレブンは競争力のある商品をそろえるハーゲンダッツに対して「我々限定のアイスを作ってほしい」と要請したことがあったが、「すげなく断られた」。
それだけに10月に発売した限定商品「ジャポネ<抹茶アズキ>」への思い入れもひとしおだ。セブンイレブンも開発段階から参加。4層構造で食感の変化を楽しめるという新しさを打ち出し、価格も1個360円とハーゲンダッツの通常商品より3割高くした。
限定商品発売に踏み切ったハーゲンダッツジャパンの馬瀬紀夫社長は「店舗数が魅力。1社限定でも組むメリットは大きい」と強調する。
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店頭ドリップコーヒーも規模を活かした試み
もう一つ規模のメリットを活かした商品展開が、最近コーヒーチェーンやマクドナルドから客を奪っている店頭ドリップコーヒーだ。

店頭ドリップコーヒーの成功のポイントは、できるだけ味を落とさず早くコーヒーを抽出してくれるドリップマシンの存在だ。コンビニはコーヒーショップよりも回転率も早く、オフィス街では混む時間帯が決まっているので、ドリップマシンのスピードへの要求はコーヒーショップよりも高い。実際にセブンイレブンでコーヒーを買ってもらえば分かると思うが、セブンイレブンのドリップマシンはカップを入れてボタンを押してからのドリップスピードがかなり早い。そして結構美味しい。

他のコンビニチェーンとの差別化を実現したこのコーヒーマシンは、日本メーカーとの長期に渡る研究開発により生み出されたのだが、その詳細は次回の後発参入戦略のエントリーで見てみよう。

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