2013/11/30

「課長の教科書」に見る課長の役割とスキル

課長の教科書

年功序列は若くて実力とやる気のある人間をどんどん外に流出させてしまう前時代的な仕組みだ。とはいえ、実力主義、結果主義はプロセスへの焦点が薄く、超短期的な視点に陥ってしまい若い才能を潰すことになりかねない。そんな正解の出ない組織論に辟易した現代において、成功している日本式の年功序列と実力主義のハイブリッドのような組織は今脚光を浴び始めている。そしてこのような組織において重要なのは、実力主義の欧米に置いてはテクノロジーの進化によって追いやられるとされていたミドルマネジメント、すなわち課長だ。


酒井 穰氏が著した「課長の教科書」ではそのミドルマネジメントの重要さと課長に求められるスキルや心構えが書かれている。

課長はミドルマネジメントという言葉の通り、自分の上司と部下の両方をマネジメントしなければならない。課長は予算に対する責任や人事権を持つ一番階級が下の職責だ。玉石混交の実力を持ち年代もバラバラの部下からなるチームを上手く盛り立てて予算などの目標を達成しなければならない。それと同時に、課の予算を最大限悲観的にして予算を通し、実力のある社員をより伸ばし、問題社員の実力底上げに腐心しなければならない。課長という実力のある人間しか部下に持たない部長といポジションよりも、ある意味困難なポジションとも言えるのが課長だ。

特に、部下の育成というのは課長にとって最も困難であり、最も評価される仕事でもある。活躍人材を育て上げれば人材を育成したという実績が残るだけでなく、課の全体の成績も上がるし優秀な社員の成果は課長の成果にもなる。その結果として部長への道が開けてくるのだ。

だが、部下は全ての社員が優秀なわけでもなければ全員が優秀になれる素養を持っているとも限らない。中には実力もなければやる気もないというお荷物としか言えない人物も存在するだろう。ただし、そういった人物に対しても愛を持って成長させてやることが課長の大きな仕事の一つだ。優秀な人間は裁量を持たせて難しい仕事を任せればトライアンドエラーで勝手に成長していくものだ。ちょっと寄り添ってあげるだけで良い。しかし、優秀でない人材はそうもいかず、時間をかけてできることから少しずつ育成していかなければならない。そうしなければやる気がなく実力がない人間でものさばっていられるという認識がチームに広がり、モラルの低下、モチベーションの低下、ひいてはチームの効率が低下する。
だから、課長のもっとも重要な仕事は、やる気もない実力もない社員をいかに底上げするかにかかっている。


今更強調される必要もない課長というポジションの重要性。そのポジションに求められるスキルは部長とさほど変わらない。そして経営と現場をつなぐ重要な役割を担っている。数年以内に課長になる、あるいは今課長として苦労している人には、ぜひ「課長の教科書」をおすすめしたい。



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