2013/11/28

インストアプロモーションのEstimoteが面白い

Estimote

最近小売業界が熱い視線を送っているキーワードと言えば、プライベートブランドとO2Oではないだろうか。食品や生活雑貨の小売ではプライベートブランドが、アパレルやサービスではO2Oが脚光を浴びている。

小売店向けに、手軽にO2O環境を提供できるデバイスとソフトウェアを開発しているのがEstimoteというアメリカのスタートアップだ。Estimoteは今年2013年の6月に創業されたばかりのベンチャーだが、既にシードラウンドで30万ドルを獲得している。

Estimoteが開発しているのはBeaconと呼ばれるBluetoothの電波を発する小さなデバイスと、そのBluetoothの電波をスマートフォンが捉えた時に特定のアクションをスマートフォンに実行させるAPIだ。

EstimoteのBeacon


Beaconは画像の通り小さなデバイスで、店内の棚や天井、什器など好きな場所に簡単に設置できる。このBeaconから発せられたBluetoothの電波は、10cm〜約65メートルの範囲でスマートフォンがキャッチできる。

何に使うの?

このBeaconが設置された店舗にスマートフォンを持ったお客(ほとんどのお客がそうだが)が来店すると、スマートフォンが電波をキャッチして特定の動作を組み込まれたアプリがプッシュ通知でメッセージや画像、動画、その他のアクションを発生させる。APIが提供されるようなので、店舗側が自社ブランドアプリに電波をキャッチした際の動作を組み込むことができそうだ。

Estimoteの活用


例えば、まず店舗に入店したら「いらっしゃいませ」みたいな挨拶から新作の紹介や値引きセールの情報、あるいはイベントの告知などでおすすめ情報をお客さんにプッシュすることができる。また、店内に配置した複数のBeaconの電波から位置を正確に割り出すことができるようなので、特定の棚の前に来たらその商品の作成過程の動画を流したり、カラーのラインナップを表示する、コーディネーションを提案するなど、いろいろな方法で商品をアピールできるのだ。お客さんの属性によって同じ棚の前でもその人により響く情報を提供することができれば、プロモーション効果も大きくなるだろう。


小売店だけじゃないメリット

小売店以外にも、美術館や博物館でとある絵画の前に来るとその画の作者の情報を流したり、その画にまつわる歴史の動画を流すという事ができそうだ。美術館や博物館は音声ガイドを貸し出している所も多いが、これをEstimoteに代替させることもできる。そうそれば機器メンテナンスも楽になるし、これまでの音声ガイドと違って、ユーザーがその絵の説明を聞くために自分で指定されたトラックを入力するという手間も省ける。


顧客動線の獲得

このシステムのさらに便利なところは、店舗に来たお客さんの動線を獲得することができるという点にある。店内のどこでお客さんが長い時間回遊して、どこが最も回遊されない場所なのかを割り出して、店内のレイアウト改善に活かすことも可能だ。65メートルも電波が届くようなので、店舗外からお客さんを引き込むためにセール情報をプッシュして入店を促す導線を作ることにも使えそうだ。

Estimoteによる顧客動線


今のところBeaconは1台99ドルと、それなりの値段だ。とは言うものの、一店舗あたり数台で事足りるだろうからさほど大きな投資でもない。ある程度数が出るようになればBeaconが単価も下がっていくことになるだろう。キャッシュポイントはBeaconを売るだけでは対して儲からないだろうからAPIの一部の機能(例えばクーポン振り出しの機能とか)に課金をするといったような、ストック型のキャッシュポイントを設けるだろう。

日本に上陸するまではまだ数年かかるのだろうが、今から先が楽しみなStartupだ。とはいえ、インストアプロモーション系は他にもスタートアップが出現してきているので、デファクトスタンダード獲得合戦になるだろう。
 
 

0 件のコメント :

コメントを投稿

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...