2013/11/07

Webサービス系Startupの新常識: AARRRモデル 3/3

AARRRモデル
Dave McLure氏のスライドより

AARRR顧客獲得モデルについて、AIDMAやAISASといったこれまでのモデルとの対比で説明してきた。今回のエントリーではWebサービス系StartupにとってなぜAARRRモデルが必然となっているのか、その理由について考察を述べ、このシリーズの最終エントリーとしたい。

Webサービス系StartupがAARRRモデルを追求すべき理由

AARRRモデルがどのような概念であるかについては概ねご理解頂けたと思う。次に多くの人が感じるであろう疑問は、なぜAARRRモデルがWebサービス系のStartupに有効なモデルなのかである。この問いについて私なりに回答してみたい。


まずユーザーの流入経路だが、AIDMAもAISASも入口はAttention(注意、認知)となっている。これは、マスメディアによりユーザーが受動的に情報を得るものだという、今の時代では必ずしも正しくない前提にたっているからだ。Web上で全てが完結しがちなWebサービスにおいては、ユーザーの流入もWeb経由であることが主流だ。

サイトへの流入はマスメディアと違ってユーザーの主体的なアクションが必要になる。例えばブログ記事を読んでその記事のリンクからサイトにジャンプする、別のサイトに掲載されているバナーからジャンプするなどのアクションがあるだろう。ユーザーが情報を読んでフーンと思うだけでなく、サイトへリンクを辿るよう仕向けるには様々な仕掛けが必要だ。ユーザーの主体的なアクションが必要だからこそ、最初の関門はAttentionではなくてAcquire(獲得)という新しい概念を置く必要がある。


AARRRがAIDMAやAISASと最も大きく異なる点は、既存ユーザーが友人やSNSで繋がっている他のユーザーを連れてくる(Referral)ことをプロセスに組み込んでいることだ。古典的なマーケティングでも口コミの絶大な効果は認識されているが、それを活用することはアートの領域であり、容易にコントロールできるものではないとされてきた。下手をすれば企業側のあざとい策略が見えて不評を買うという危険性すら秘めている両刃の剣だ。

Webサービスではネットで完結するという性質上、ブログなどのWebメディアやSNSで波及効果を生み出しやすい性質を持っている。しかも、情報発信が恐るべき低コストで不特定多数に対して同時に行えるので、その波及効果はこれまでの口コミよりも大きくなりやすい。無論、口コミ情報あるいはCGMが増え過ぎることによって情報の価値が下落して訴求効果が落ちるという側面もある。

AISASも最後のS=Shareで口コミを生み出して新しい有望な見込み顧客を獲得するというフェーズが組み込まれているが、AARRRでは口コミによる見込み顧客獲得が予め戦略に組み込まれるべきものであるという点が新しい。

Webというメディアでは口コミを促すツールがたくさん提供されている。例えばブログに埋め込むことができるいいねボタンやTweetボタン、それからKloutのようなCGMマーケティングツールを提供するStartupも。それからアフィリエイトプログラムの存在も利用者が他の利用者を連れてくるポジティブなループを作り出すための仕組みだ。

こうした環境がWebサービスのStartupにReferralを前提としたビジネスモデルを要求する要因になっている。


関連エントリー: 



0 件のコメント :

コメントを投稿

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...