2013/11/15

Yahooがキュリア転職で転職求人サイトを破壊する目的は? 1/2


キュリア転職ロゴ

中途人材領域に、驚愕のニュースが流れた。Yahooの子会社が運営する「キュリア転職」が基本サービスを無料化し、有料サービスも業界最安値の価格設定へ変更したというのだ。


YahooオークションとYahooショッピングの出店料・手数料無料に続く、Yahooのサービス無料化攻勢が続いている。この求人・転職サイト無料化は同マーケットに小さくない変化をもたらすだろう。マーケットに与える影響はどのようなものだろうか?そして、Yahooは一体何を狙ってサービスの無料化を推し進めているのだろうか?

中途採用のビジネスモデル

そもそも求人・転職サイト、そして中途採用斡旋ビジネスについてご存じない方のために簡単なビジネスモデルの説明をしたい。

キュリア転職は見たところ、採用ニーズのある企業がキュリア転職という転職したい人が集まる場に求人情報を出し、その求人情報の掲載に対して課金し、さらに採用が決まれば成功報酬としてさらに手数料を受け取るモデルであったようだ。求人情報サイトでは、1求人情報の出稿あたりの費用を請求するビジネスモデルが大半だ。企業は広告スペースを購入するかのごとく、一定期間求人サイトに求人情報を掲載するためのスペースを購入する。一方、転職支援系のビジネスでは企業のニーズにマッチした転職希望者を紹介し、採用成功報酬を企業から得るモデルだ。転職成功者の年収の20-30%程度を手数料として受け取る。

求人情報出稿料も転職成功報酬も無料にしてしまったYahooのキュリア転職は、つまり収入源が完全にほとんど絶たれてしまった。企業が複数の求人情報を同時に掲載する場合、また、転職者をスカウトする機能には課金が発生するようだが、月数万円程度でインフラを維持するコストも賄えるかどうかというところではないだろうか。

マーケットへの影響

キュリア転職の無料化は、求人・転職サイトや人材紹介マーケットへのインパクトが小さくない。
まず、マーケットに値下げ圧力が発生するだろう。無料という選択肢が増えたのだから、これまで有料のサービスを利用していた企業もキュリア転職に切り替えるケースが出てくるかもしれない。無料なので最初はお試し的に掲載してみて、効果があれば有料のサービスを使うのはやめて、キュリア転職のみに切り替える、なんてストーリーが考えられる。窮地に立たされた有料求人サイトは、顧客をつなぎとめるために値下げやキャンペーンで対抗する可能性が高い。

Webの有料求人サイトからすると、顧客離れが何より恐ろしい。求人広告をサイトに掲載するコストなんて無料に近いのだから顧客離れを招くくらいなら、料金を大幅値引き、ないし無料にしてしまおうという発想になる。こうして値引き合戦になると求人サイトマーケットに大きな値下げ圧力がかかる。もしそうなればプレイヤーは大きな損失を被り、運用体制を根本的に変えるてコスト削減に乗り出すか、ビジネスモデルを転換させざるを得ない。同じように、成功報酬型のビジネスモデルにも値下げ圧力がかかるかもしれない。


もう一つの大きな影響は、各求人サイトに流れ込む利用者のトラフィックの変化だ。
鶏か卵かみたいな話になるが、利用者が多く集まるサイトには多くの企業が集まる。当然多くの利用者がいるほうが求人広告掲載コストに対する応募数が増えるからだ。その一方、求人情報が多く集まるサイトには、多くの利用者が集まる。良い状態にある求人サイトはこうした正のスパイラルが働く。

つまり、掲載求人情報を増やすことは多くの利用者を集める重要なファクターだということだ。無料で求人情報を大量に集めることができれば、やがて利用者の訪問数も比例して伸びていくことだろう。他の求人情報サイト運営会社が恐れるのは、キュリア転職が独り勝ちでこの正のスパイラルに入っていくことだろう。一つ前の影響で上げたように、一度顧客企業との接点を失えばそれを取り戻すのは大変だが、一度自社の求人サイトから離れた利用者を取り戻すことも同じくらい難しい。既存プレイヤー達にとっては利用者の喪失も非常に怖い現象の一つだ。



次回のエントリーで、Yahooの目的について考察してみたい。

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