2013/12/03

中国人企業家の戦略視点の長さ

中国

これは4年ほど前に、中国企業を訪問した時に中国人の企業家から聞いた話なのだが、ビジネスでも政治でも中国人のトップ層にいる人達の考える戦略というのは、とてもスパンが長いということ。日系企業の中経のように3−5年とかではなく、20年、30年先を見据えた投資をするという話を聞いて感心した。


その中国人企業家は、日本向けのオフショア開発を手がけるIT企業の創業者で総経理(社長)という肩書だった。創業期こそは陣頭指揮を取っていたのかもしれないが、私がお会いした時にはビジネスのことはほとんど取締役以下部下に任せきりで、本人は人間関係を作ることだけに専念している様子だった。実際その人は様々な政府主導の大きなビジネスに絡んでは、適切な人材や会社を紹介して手数料を頂戴するようなビジネスをちょくちょくやっていたそうだ。何より人間関係を重視する中国らしいビジネスマンといったところだが、とても根本的なところでワールドスタンダードでどこに行っても通じる原則かも知れない。

そんな中国人企業家は一つ大きな戦略を持っていて、自分の大学を作ろうとしていたのだ。彼はITと日本語が学べる大学を作り、そこを卒業する優秀な人材を斡旋して自分たちの会社の人材の質を高めようと考えたのだ。人材の質を高めようというスローガンはもちろん日本の多くの会社で聞かれるスローガンだが、じゃあその方法論として大学、ちょっとスケールダウンして専門学校を作りましょうなんて話は一度も聞いたことがない。

大学を作ろうとしたら数年ではなかなか実現することが難しいだろう。政府の要人に知人を増やし、誰か民間の人間に大学を作らせようというお膳立てが揃うのを待ち続けなければならない。何年かかるかわからない途方も無い話だ。まともな人材が集まって彼の目論見通りの結果を得るまでには数年ではきかず、10年、20年とかかってしまうかもしれない。だが、それが優れた中国人企業家の見る「戦略」というものの時間のスパンなのだ。


結局その企業家とは知り合いづてに一度あっただけなのでそれっきり疎遠で大学の話がうまく行ったのかどうかはわからない。もしかしたらただのアイディアに過ぎなかっただけかもしれない。日本と中国の人件費の格差に依存したオフショアビジネスのために、それだけ長い時間をかけて人材を得ようとするのは筋が悪いとも言えるかもしれない。

それに、かつてバブル期にあった日本にも、それだけ先を見た投資をできる時代があったのかもしれない。数十年先を見据えた投資というのは、好景気に沸く経済圏にいる人達の特権なのかもしれない。


それでも歴史的には数十年というスパンの大戦略を考えることのできる人達が歴史を握ってきたようだから、私達はこうした中国人のトップレベルの人達からその考え方を学ぶべきなのかもしれない。国家間ではいろいろあるかもしれないけどね。
 

  

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