2013/12/13

Pricebookのタイムマシン経営inインドネシア 本当に日本ではタイムマシン経営ができない?

Pricebookというインドネシアをターゲットマーケットとした日本人経営者のStartupがある。Pricebookは日本で多くのECユーザーに親しまれている価格.comのビジネスモデルを輸出し、ECの発展目覚ましいインドネシアで価格.comと同じビジネスを展開している。


初めて知ったのだが、あるマーケットで数年先を先行している国のビジネスモデルを別の国の同じマーケットで展開することをタイムマシン経営というそうだ。なかなか的を射た面白い表現だ。数年先の未来で成功しているビジネスモデルなのだから、これから同じ発展を遂げるであろう別の国にそのビジネスモデルを持ち込めば成功する確率は高いということだ。最近はネットのお陰ですっかり世界が小さくなり、同じ情報が一瞬で全世界に行き渡るようになった。

タイムマシン経営という言葉はネットバブル期にソフトバンクの孫正義氏が使って有名になった言葉で、当時はアメリカのネット業界で流行ったものを日本に持ち込めば上手くいくという定義だった。しかし、情報が一瞬で全世界が行き渡る時代になり、もはやタイムマシン経営が成り立たなくなってきたと言われている。少なくとも米国のビジネスモデルを日本に持ってくるという観点では。


果たしてそうだろうか?

確かにネットの世界では、言語以外はほとんど何の障壁もなくアメリカで立ち上げられたサービスは即時に日本でも体験することができる。ましてやWebサービスのUIを数十ヶ国語に自動翻訳するWebサービスまで出てきているため、ほぼノータイムで米国でのリリースが全世界リリースということになる。

こう見ると確かにタイムマシン経営する余地なんてどこにもなさそうだ。日本でパクリサービスを作っている間に本家が日本でも流行ってしまうことだろう。
だが、これはほとんどBtoCビジネスに限定された話だ。どうしてもWebサービス、あるいはネット系のStartupというとBtoCが花型でBtoBにほとんどスポットライトが当たらない。だが、消費者に比べて企業は新しいテクノロジーやサービスを取り込むまでに超えなければならないハードルが多く、未だに米国と日本の間にはタイムマシン経営が成り立つ領域がとても大きいのだ。

国と国の間だけではない。大手企業と中堅企業、さらには中堅企業と中小の間にも断絶が起きており、大概の新しいテクノロジーはまず大手企業向けにビジネス化され、次に新しい参入者達が安価なバージョンのサービスをリリースし、徐々に小さな規模の企業へ浸透していく。イメージ的に、米国であるテクノロジーが中小企業までどっぷりと浸透したら、漸く日本にも導入企業が出てくる程度の時間差がある。


かと言って、全ての領域で日本が米国に後れを取っているわけでもない。アドテクノロジーのような一番新しい業界では数ヶ月から1年程度のビハインドでキャッチアップしているように見受けられる。こと製造業に至っては、ベストプラクティスを輸入するどころかどんどん輸出しているのが日本だ。しかし、一方で人材業界のような古いマーケットでは日本のガラパゴスっぷりもあって数年の遅れどころか、いつまでもキャッチアップする様子を見せない業界が存在しているのも事実だ。


日本で実績を上げているようなサービスを、発展途上のマーケットに投入するのは一つの成功の型だろう。だが、日本にもBtoB領域では多くの余白が残されていることも気にかけるべきだろう。
 
  

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