2013/12/15

シニア向けクレジットカードのTrueLink

True Link

シニアビジネスは今大きな注目を浴びている。世界的に高齢化が進み、大きなマスターゲットになるからだ。しかもお金を使わずに貯め込んでいるシニアが日本には多いため、マーケットとして大きな期待がある。今後シニアやその家族の課題を解決するソリューションが世に生まれればビッグヒットする可能性を秘めている。

その一例が、年老いた父母を詐欺から守るTrue LinkというStartupだ。


どうしても人間年老いていくと判断力が衰えて詐欺に合いやすいという事実は、老人を対象とした詐欺が多いことからも明らかだ。そして、そんな年老いた父や母と離れた場所で暮らす多くの息子・娘たちは、年老いた親が詐欺に合わないか心配しているだろう。True Linkはそんな課題に応えるソリューションだ。

True Linkのサービス内容

True Linkはプリペイド式のクレジットカードだ(それはデビットカードじゃないのか、という議論はさておき)。このクレジットカードを年老いた両親に渡し、日々の支払にTrue Linkクレジットカードを使用してもらう。

True Linkは詐欺の疑いやその他問題のあるクレジットカード加盟店のデータベースを保有しており、プリセットされた保護フィルターをかけて詐欺の疑いのある店舗からの決済を拒否する。さらに店ごとの決済の可否をカスタマイズしたり、決済の最大金額を設定することができる。詐欺に引っかからない限り年老いた両親は何も不便なくクレジットカードで買い物を楽しめる。もちろん怪しい店舗で両親が決済をしたら、息子達は即座にアラートメールを受けることができる。

これらのサービスを年間20ドルという安価な利用料で使用できるのがTrue Linkのサービスだ。数百万円のリフォーム詐欺に合う可能性を排除できるのなら、安いものだろう。

創業者がこのサービスを作ったきっかけ

このようなありそうでなかったサービスはどのようにして生まれたのだろうか?CEOのKai Stinchcombeが語ったそのきっかけが面白い。

彼には92歳の年老いた祖母がいるのだが、それなりに裕福なのかよほど慈悲にあふれているのか、募金やチャリティの誘いが多かった。そして気づけば一ヶ月に75枚の小切手を切ってチャリティに募金するという事態になっていた。小切手は一度切られてしまえばどうやっても取り戻すことができないため、泣き寝入りになってしまった。そんな状況を見かねた彼の家族は、92歳の祖母から小切手帳を取り上げるしかなかったのだそうだ。Kaiはそんな経験から、お年寄りの自発性を奪うようなことをせざるを得ないことに問題意識を感じ、このサービスを立ち上げたという。


詐欺業者や問題業者のデータベースという集合知を利用した詐欺防止の発想は面白い。そして保守的な金融業界で、実現するための仕組みを作り出したことも。発想として驚嘆するというほどものではないけれど、誰も形にできなかったことを形にしたサービスだ。

日本ではStartupがクレジットカードを発行したり、利用者の用途をモニタリング・分析してアラートを出す、そして本人以外の家族がその決済をブロックする、というのは何かと規制に引っかかりそうだ。それにお年寄りのクレジットカードアレルギーも未だにある。だからTrue Linkがそのまま受け入れられる可能性は低いだろう。だからこそ、クレジットカード以外の方法でお年寄りの自発性を損なわず、安全なペイメントの仕組みがあれば、きっと大流行するはずだ。
 
  

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