2014/01/02

どんな業界にも共通する大きな流れとは何か

以前いくつかのエントリーでも書いたことがあるが、私はIT業界からHR業界に移った人間だ。ITとHRは人材の行き来があまりない、全く違う領域のビジネスだ。だが、もっとメタレベルの大きな流れを見ていると、共通する大きな流れがある。

テクノロジートレンドは業界を超える

まず第一に言えることは、テクノロジートレンド(情報通信分野)はもはやIT業界への影響に留まらないということ。新しいテクノロジーが生まれたときは、ITに限らずHRやその他多くの業界のビジネストレンドを大きく左右する。

例えばソーシャル。テクノロジーの発展によりソーシャルという概念とそれを実現する手段が生まれ、SNSが花開いた。同じテクノロジーを利用して、IT業界の企業は社内SNSやCRMツール、グループウェアなどに派生してきた。そして人材業界では、SNSを活用して人材を見つけるソーシャルリクルーティングや、応募者の人となりをSNSで調査するバックグラウンドチェックなどのビジネスに展開してきている。最近では、モバイルというテクノロジーがIT業界だけではなく、やはりHR業界にも新しいトレンドを生み出している。

このように、イノベーティブなテクノロジーが生まれたとき、そのテクノロジーがあらゆる業界のゲームチェンジャーになりえるということを意識すべきだろう。特に新しい事業を生み出す役割の人達は。

統合と近似する領域への引力

もう一つのメタレベルの大きな流れは、各企業の事業は常に垂直方向への統合か近似する領域への水平移動をするということだ。

モバイルの例で垂直方向への統合を説明しよう。数年前にiPadがタブレットという市場を創りだしたとき、IT業界の関係者はBtoB領域でも大きなマーケットが生まれるのではないかと期待し多くの企業がモバイルマーケットに進出した。端末を売る企業、セキュリティソフトを作る企業、初期セットアップを代行する企業、CRMアプリを作る企業、それぞれが自分たちが最も得意とする領域の商品で参入する。そしてある臨界点を超えると、それらバラバラに提供されているソリューションをパッケージに統合してクライアントへ提供する企業が現れる。いわゆるSIerだ。SIerはクライアントの代わりに、必要な物を集めてきて動くようにする、という付加価値を提供している。

統合しようとする企業は顧客にとって最も付加価値の高いツールを提供している企業であることもあれば、端末を提供しているディストリビューターのこともあり、はたまた元々クライアント企業にITサービスを提供しているアウトソーサーであることもあり得る。つまり、どのプレイヤーも統合するというベクトルに向かう可能性があるということだ。


もっと小さな範囲、例えば機能レベルで統合が発生することもある。先ほどの例で言うと、別々の企業が提供していたモバイルを管理するソフトとウィルス対策ソフトが吸収合併して統合モバイル管理ツールになる、という統合の仕方だ。管理ソフトを作っていた企業がさらに開発を進めてウィルス対策機能を搭載することもあれば、事業買収やパートナーシップで統合されることもあるだろう。

パターンは様々だが、多くの場合、新しく取り込む機能は近似する領域の機能だということだ。CRMツールを作っていた企業がウィルス対策機能を盛り込んだりすることはない。だが、社内SNS機能を取り込むことは十分にありえる。このように小さな統合は近似する領域に引っ張られるように発生するのだ。ソーシャルやモバイルのような新しいテクノロジーはまっさらな紙の上にインクを落とすように忽然と新しい領域を作り、そこから互いに惹きつけられるように近接する領域にインクの枝が伸びていくようなイメージだ。


言語化すると当たり前のようなことではあるが、こうした大きな視点でみるとマーケットの大体の流れがつかめるだろう。そこからより具体的なレベルにブレイクダウンしていけば、自ずとこれから訪れる大きなチャンスや脅威の仮説が立てられるようになるだろう。
 

  

0 件のコメント :

コメントを投稿

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...