自治体がベンチャー企業振興に参画することは意味があるのだろうか。
基本的に、行政がベンチャー企業振興のために直接支援できることは少ない。箱物を作るか税金を優遇するくらいだろう。スタートアップが求めているのは箱物でもなければ、初期の何年かは赤字が続くので税制優遇でもないだろう。直接的な資金注入はベンチャースピリットを妨害するかもしれない。
本質的に、シリコンバレーのようなスタートアップ企業の集積地は自然発生でしか生まれ得ないだろう。自然と固まっていたスタートアップ企業群があり、そこに優秀でリスクテイカーな人材が集まり、スタートアップを対象としたスタートアップやVCが集まり、コミュニティが強化されていく、というポジティブなスパイラルが生まれる。行政が主導でこのスパイラルを生み出すのは難しいが、このスパイラルを加速させることはできる。だから行政は地域のビジネスの兆しや偏りをよく調べ、ポジティブスパイラルを加速させることに徹するのが良いだろう。
バイオベンチャーやITベンチャーなど、ジャンルによって求める環境が異なるのだから、行政はスタートアップを顧客だと思ってそのニーズを良く把握することが重要だ。
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