2014/01/26

IBMはAI事業に復活をかける

IBMのWatson

IBMが低価格帯サーバ事業をレノボに23億ドルで売却することが決まった。2013年Q4の売上高は277億ドルで、そのうちハードウェア部門は43億ドル、売上高を率にすると15.5%にすぎない。サーバを含めたハードウェア部門はすでに何年も前からIBMの非中核ビジネスなので売却は妥当な考えだろう。

今、IBMは7四半期連続の減収に苦しんでいる。ハードウェア事業がシュリンクし続ける中、ソフトウェアやコンサルなどの基軸事業が伸びていないからだ。だが、その一方でAIに対する大きな先行投資を行っている。IBMはAI事業を次世代の基軸事業として考えているのだ。


AIとは人間の思考方法をシミュレートするテクノロジーのことで、コンピューターの処理スピードがいくら早くなっても克服することができなかった「ひらめき」のような人間的思考方法を再現し、かつ人間には遠く及ばない処理速度を活用して事業課題や社会課題を解決することを目的としている。

もっと具体的なレベルの話をすると、ウェブ広告事業でどのオーディエンスデータにどの広告をぶつけることが最もCVRを高めるか、人と人をつなぐマッチングビジネスではどの属性をもつ人同士をつなげれば最も効果が高いか、という課題があるが、現状はビッグデータを処理するのは機械だが、その結果を得てどの広告を誰に表示するか、誰と誰をマッチングするかを判断するのは人間であった。だが、AIが発展すれば、結果を評価して次にもっと良いCVRを出すためにはどうすべきかを考えて実行に移す、一連のプロセスをAIが全て自動化することになるだろう。

先日NTTデータがソフトウェアの開発を自動化してコストを下げるという計画がニュースに流れていたが、これも同じように人間が経験則で判断している部分をAIに行わせようという試みだろう。


IBMは何度も自分たちが押し広げてきたビジネスモデル拡大の果実と、そのマーケットの収縮による辛酸を舐めてきた企業だ。だが、いまでも一流IT企業として生き残っている事実は、その先を見る能力を物語っている。
今ふたたびAIマシンのWatsonを中心とした「Watson Group」事業を立ち上げ、AIの領域で復権しようとしている。
 
  

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