2014/03/02

LINEより一足先に換金化を開始したWeChat

メッセージングアプリユーザー数推移

Tencentは中国のコンシューマーWebサービスのナンバーワンプレイヤーだ。

2012年6月時点では世界のWeb系企業の中でも時価総額5位、もちろん中国国内では1位。そして時価総額では、Web系企業として日本で最も時価総額の大きいYahoo!Japanの3.7兆円の約4倍の13兆円だ。歴史は意外と古く、1998年に創業し2004年に香港証券取引所に上場。Facebookが設立されたのはちょうどTencentが上場した2004年なのだ。

■WeChatとは

WeChatはTencentが2010年にリリースしたアジア初でもっともユーザー数の多いメッセージングアプリだ。世界的に見れば最も利用ユーザーの多いSNSのFacebookMessengerがあり、最近Facebookに買収されたWhatsAppがあるが、その次にユーザーが多いのがWeChatだ。中国国内で圧倒的なシェアを誇るため、海外展開の進むLINEよりもユーザー数が多い。

■マネタイズの進むWeChat

どのメッセージングアプリも目指すビジネスモデルは、圧倒的なユーザー数を持つプラットフォームを作り、そこで多くのユーザーから薄く課金をして大きな売上を稼ぐことだろう。マネタイズにおいては、WeChatが他のアプリに先駆けて稲刈りを始めている。そしてその方法はLINEとはまたひと味ちがう側面がある。

・コンシューマーに換金ポイントを設ける

WeChatもLINEも収益の重心はコンシューマー側に重心がある。2013年のある四半期ではLINEの売上の60%はゲーム売上、20%はスタンプ、もう20%はB2Bの公式アカウントであり、実に80%がコンシューマーからの売上だ。WeChatの売上詳細は分からないが、恐らく似たようなものなはずだ。なぜなら、WeChatもLINEと同じように有料スタンプショップとソーシャルゲームを運営している。

だがWeChatがLINEよりも本気で換金化しているなと感じるのは、2013年8月にWeChatアプリに搭載されたオンラインペイメント機能だ。WeChatは主に3つのペイメント機能を提供している。ひとつひとつ紹介していこう。

(1) プリペイド型携帯電話代金のデポジット
ポストペイド型が主流の日本と違い、中国ではプリペイド型の携帯電話代金支払が主流だ。通常この支払はATMやネットバンキングなどで行われるようだが、WeChatでならペイメント機能を通じて、スマホからそのスマホの利用料を入金できるということだ。

(2) QRコードをスキャンして購入する機能
WeChatにはQRコードをスキャンしてオンラインペイメントを実行する機能が追加された。この機能は主にPCやタブレットでECショップを利用する場面を想定して作られているようだ。例えばTencentのECストアであるYixunで買い物しようとするとWeChatペイメントを選択することができ、QRコードをスキャンしてペイメントパスコードを入力すると決済が完了する。アカウントにクレジットカード情報を登録してネットショッピングするほうが簡単な気がするが、WeChatに支払を統一させたいというニーズがあるなら流行るかもしれない。

(3)公式アカウント内の商品をワンタップで購入
これは案外強いかもしれない機能だ。WeChatにもLINEなどと同様に企業のブランディングページを展開することができる。そこに企業が紹介した商品を、ワンタップで購入できるというわけだ。フラッシュマーケティングに向いたペイメントサービスと言えるだろう。
最近LINEもLINE MALLという個人もビジネスも使えるECプラットフォームを提供し始めたが、WeChatのほうが3四半期も先に企業向けにマーケットプレイスとしてプラットフォームを提供し始めた形だ。

・銀行サービス

さらにWeChatにユニークなサービスが、つい最近参入したオンラインバンキングサービスだ。
WeChat Wealthなるサービスでは、100万元を上限にファンドへ投資することができる。この口座に入金すると、自動的に華夏銀行が運営するファンドに運用され、年率6.435%の運用益が見込まれるのだという。
WeChatがコンシューマーのあらゆる生活側面に根ざしたサービスになろうという思想が透けて見える。



アジアではWeChatとLINEがユーザー数を競い合っているが、グローバル展開という意味ではLINEが一足先ん出ている印象だが、換金化のスピードや幅広さはWeChatも負けていない。だが一方で、LINEもつい先日B2B向けにAPIを公開したり、クリエイター向けにスタンプショップを公開したりと矢継ぎ早に換金化サービスを広げている。どちらのサービスがアジアを制するのか、引き続き見守って行きたい。

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