CMを見ていただければわかると思いますが、まず製品が必ずCMの中心に存在し、画面のなかでも必ず真ん中に位置しています。ナレーションの言葉は少なげですが、 映像からあきらかになんの製品についてのCMなのかがすぐに分かります。
テレビCMは特に広告作成者の表現の場になってしまっていて、映像としては面白いけど何に関するCMなのかが全然わ からないことがあります。たとえば、SONY ExperiaのCMを見ると、なにやら暗闇の中で電飾で光ったダンサーが踊っているのですが、最後にならないと商品の全貌が出てこないため、なんの商品 のCMなのかすら分かりません。
メリットの訴求の仕方も全然違います。iPhoneのCMの基本のフォーマットは、利用シーンを全面に押し出して誰 がなんのためにiPhoneというツールを使うのかが明確です。たとえばあるCMではiPhoneのカメラで旅行中に子供の写真を取り、 iCloudで共有するというようなCMパターンがありました。
また、iPhoneのCMでは、ユーザーが操作している視点から製品紹介をしていて、利便性を表現しています。画が わかりやすいので説明が少なくても、iPhoneの使い道はすぐに理解できるようになっていますよね。一方SONY Experiaではさんざんカッコイイ踊りを見せたかと思えばそれで終わりで、何を理由にユーザーはExperiaを選ぶべきなのか、というところに大し て答えがありません。もっとユーザーが使うべき理由を作ってあげないといけないのです。
不思議なもので、あれほどデザインに気を使うAppleが、CMになるととってもシンプルです。変にスタイリッシュさを出そうとせずに、とにかく視聴者がiPhoneを使ってみたいという気持ちを持たせることに全力を集中しています。
本来CMの目的は商品に視聴者の興味を持たせることです。ダイレクトレスポンスが重要で、どれだけ反応があるかということがCMの価値の大半なのです。
サムスンのGalaxyNoteのCMでも、思い切りAppleのCMをパクっています。それだけ優れたCMのフォーマットなんですね。
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