1. オペレーショナル・エクセレンス(運用効率を最大化して、安価で標準化された製品の提供に優れている)
2. 製品リーダー(多少価格が高くとも製品そのものの訴求力が高い)
3. カスタマーインティマシー(顧客の細かいニーズに応えたり、個別化で顧客を囲い込む)
企業は、これらのうちどれかのポジショニングに徹底することにより、企業間競争を優位に進めることができるとしています。そして重要なことは、これら3つのポジショニングは、顧客の価値観はの違いでもあるということです。昨日のポストでも取り上げた話題ですが、顧客の属性、例えば30代男性独身会社員という属性であっても、ある製品を選ぶときの基準は異なります。PCを例にとってみると、とにかくコスト対効果を重視する人(Acer)、価格が高くても優れた製品を望む人(Apple)、カスタマイズ性を重視する人(自作PC)というように価値観によって重視するポイントがことなるのです。
前置きが長くなりましたが、これら3つのポジショニングのうちカスタマーインティマシー戦略が最近では重視されつつあります。というのも、オペレーショナル・エクセレンスと製品リーダーの座は非常に限られた数しかないからです。Winner Takes Allの世界です。一方、カスタマーインティマシーは顧客化の価値観を細分化すればするほどあらたなポジショニングが生まれます。
カスタマーインティマシー戦略の一つである個別化。顧客がこの製品は自分だけのオリジナルなんだというところに価値を感じてもらう方法です。この個別化でブランディングをする場合、重要なのは販売側の個人ブランディングなのです。
個別化された販売方法の一つに、サブスクリプションマーケティングというものがあります。顧客は自分の趣味嗜好を伝えると共に月額決まった料金を支払うと、日本酒マイスターがその顧客の嗜好に沿った銘柄の日本酒を毎月数本選定し、送られてくるというものです。
オーダーメイドのジュエリーも個別化戦略にのっとったビジネスです。あるオーダーメイドジュエリーの企業では、デザイナーがブログなどで自分の作品を公開し、そのブログから自分にあったデザイナーを顧客に選択してもらい、オーダーメイドのジュエリーを作成します。
自分が日本酒やワインのサブスクリプションをこれから購入しようとするのであれば、顔の見えない会社よりも、日本酒の書籍や雑誌を書いているライターやソムリエという肩書きをもつ個人のほうが信頼や期待が高まるのではないでしょうか?名前と顔が出ていて、さらに第三者から認められている実績があると、顧客側も安心して任せることができます。
ジュエリーデザイナーを選択する基準は、人によっては多くのデザイナーから認められているデザイナーを選択するかもしれませんし、人によっては自分が好む作風のデザイナーを選択するかもしれません。どちらにせよ、そのデザイナー個人がどのような作品を作り、どのような評価を得ているかということを明示的に示していく必要があります。
実は第三者から認められている、あるいは実力を証明する実績があったとしても、それをあえて表現しないでいると、埋没していってしまうのです。実力が一流でセルフブランディングが二流の人よりも、実力が二流でセルフブランディングが一流の人が売れるというのが現実です。
個別化戦略では、この人の言う事なら信じられるという感覚が重要なので、売り手の個人ブランディングが重要なのです。
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