プロフィット・
□■顧客シャッフルとは?■□
顧客シャッフルとは私が勝手に名づけたフレームワークですが、まず、
実際にこの方法を使ってビジネスモデルを確信してきた企業を見る
□■4つのメソッド■□
顧客シャッフルでイノベーションを起こしている成功例を見ると、1. 顧客ユニットの分割・再定義
2. リシャッフル
3. 一足飛び
4. キャッシュポイント移動
それぞれ少しずつ企業が抱えている課題や現在のビジネスモデルに
□■顧客ユニットの分割・再定義■□
顧客ユニットとは?
顧客は「顧客」この例で言えば、子供は使う人(CU=Consuming Unit)、母親は購入する製品を決める人(DMU=
顧客ユニットの分割はB to CだけでなくB to Bでも有効です。あるERPパッケージを企業に導入する場合、
少しビジネスモデルと離れてきたので話を戻します。顧客ユニットの分類と再構成はマーケティングだけに関係があるように見えますが、実際はビジネスモデルと経営戦略にもダイレクトにインパクトがあります。「なぜ、あの会社は儲かるのか? ビジネスモデル編」でも紹介されているフランスベッドのケースで紹介します。
フランスベッドの例
フランスベッドのもともとのビジネスモデルは、自分の力で立ち上がるのが難しい高齢者向けに、電動でベッドを起こして立ち上がりやすくしたベッドを売り切る商売でした。しかし、高齢者向けなので購入してさほど使用していないうちに不要になることも多かったようです。フランスベッドの顧客ユニットを分析すると、DMUとPUは高齢者の家族でCUは実際にベッドを利用する高齢者ということがわかります。
DMUとPUにとっての付加価値を最大化しようとすると、売り切りよりもレンタル方式の方が金銭的な負担が小さく、最悪利用者がすぐに亡くなった場合もデメリットがありません。フランスベッドはレンタル方式にビジネスモデルを転換しました。しかし、CUである高齢者からすると「先が短いからレンタルなのか」と印象を悪くすることもあるので、レンタルバックしてきたベッドの再レンタルの前に入念なリペアと洗浄行程を入れることによってCUの満足を得られるようにしました。
このように、フランスベッドは顧客ユニットを再定義し、DMUとPUにとって最も付加価値が高くなるようにビジネスモデルを転換しました。しかし、CUの満足をなおざりにするとDMUの意思決定に影響を及ぼすのでCUにとっての価値も追求しています。
ITサービスの世界では...
B to Bの世界では、あまり高価でないIT機器やITサービスの販売はIT部門のマネージャーがCUかつDMUというケースが多く、営業はマネージャーとのリレーションを重視すればビジネスが成り立ちます。しかし、外資系企業では固定費削減のため、自社ITで行なっていた業務をそっくりアウトソースすることがあります。この場合、ITサービスベンダーにとってのDMUとPUはIT部門マネージャーからCIOなどの役員に移行します。そして社内ITのメンバーやマネージャーは顧客ユニットのどれにも当てはまらなくなります。それもそのはず、アウトソースが完了すれば彼らはリストラされてしまうのですから...
残り3つの顧客シャッフルメソッドは明日に続きます。
山田 英夫
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