
iPS細胞と聞けば、昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中教授をすぐに思い出す人も多いだろう。
再生医療時代の幕開けに、iPS細胞の技術に期待が高まっている。
iPS細胞を再生医療の現場で実用化するにあたって、まだまだ課題が沢山あるのが現状だ。
その中でも重要の課題の一つが、iPS細胞にかかる時間とコストだ。
再生医療を必要とする人がiPS細胞を活用した治療を求めたとして、細胞の培養に2〜4ヶ月かかり、費用も数百万単位でかかる。
その解決策として期待されているのが、iPS細胞バンクだ。
iPS細胞バンクでは予め健康な人の細胞からiPS細胞を培養しておき、いざ必要とする人が現れた時にすぐに使えるようにしておく。
安定的にまとまった数の細胞を培養していれば、コストも下げられるということだ。
さて、こうした取り組みは偏に再生医療で患者を治療する目的から生じているのだが、早くもこの分野でビジネスの広がりが出てきている。
iPS細胞を再生医療以外のビジネスに活用しようというのだ。
人体の様々な細胞に変化できるこのiPS細胞。
あなたはどのように再生医療以外のビジネスに活用することを考えるだろうか?
実は製薬業界がiPS細胞に熱視線を注いでいる。
医薬品の開発には10年以上の時間と数十億円、ときには数百億円の投資が必要とされている。
その中でも人体に対する影響を測る臨床試験にかかっている時間とコストは少なくない。
人体への影響を詳しく調べるには人に新薬を投与しなければならない。
しかし、いきなり人に投与するわけには行かないから、その前段階で動物実験を行ったり、ヒト細胞の提供を受けて研究を行う。
もしもiPS細胞が今よりも数段安く手に入るようになれば研究開発にかかる時間とコストは大きく削減出来るだろう。
他にも物質の人体に対する毒性を測ったり、病気の解明にも活用できる可能性を秘めている。
今日の学び
・新しい技術や素材は、当初の目的以外の使い方がないか探してみよう。そこにビジネスチャンスが眠っているかもしれない。
メインストリームで強大なナンバーワン企業があったとしても、思わぬところにビジネスチャンスがあるかもしれない。
そんなビジネスチャンスを常に探し続ける視点を持とう。
photo credit: Raymond Larose via photopin cc
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