
ブロックバスター利益とは多額の研究開発費という初期費用が必要になり、変動費が小さいビジネスに適した利益モデルだと解説してきた。
そして、映画や音楽、ソフトウェアメーカーという業界に向いているモデルだとも論じてきた。
今回はブロックバスター利益モデルの成功率を上げるための施策を考察してブロックバスター利益モデルのまとめとしたい。
コンテンツ
* ブロックバスター利益モデルとは何か (その1)* ブロックバスター利益と時間利益モデルの違い (その1)
* ブロックバスター利益モデルの実例 (その2)
* ブロックバスター商品の成功率を高める (今回)
ブロックバスター商品の成功率を高める
ブロックバスター商品の売上を予測するのは困難だが、少しでも成功率を高めるためのセオリーは存在する。その一つはマーケティングに集中投資することだ。
ブロックバスター商品はR&Dコストが高額だが、R&Dコストに比例して売上が上がるという保証はどこにもない。
むしろ売上と相関関数が高いのは幅広い意味でのマーケティングコストだろう。
そもそもニーズがなかったり、消費者の心になんらインパクトのない商品はいくら開発費をかけても売上は立たない。
だから、開発前、開発中、プロトタイプに対する顧客の反応といったリサーチに十分投資して成功率を高めるのが手堅く効果的な手段だ。
また、市場に投下された新商品を認知してもらうための宣伝広告へも十分に投資すべきだろう。
R&Dコストが高額なのだから、万が一全く売れなかったりすれば大きな損失を出すことになる。
ブロックバスター商品は限界利益が高いのだから、認知を得るための資本を投下して広告宣伝キャンペーンを行うことで成功率を高めるべきだ。
成功率を高めるもう一つの方法はR&Dコストを抑えることだ。
開発コストを下げることは損益分岐点の低下につながるので、万が一新商品が大コケしたとしても傷は浅くなる。
多少の失敗に耐えられる資産を持つ大企業であれば即会社が潰れることはないが、駆け出しのベンチャー企業であれば研究開発コストを低く保つのは、会社を存続させて商品がブロックバスターに育つのを待つ有効な戦略だ。
ひとつ実例をあげよう。
まだディズニーが映画界で今ほどの地位がなかった頃、R&Dコストを下げるために無名の脚本家を集めて絶頂期を過ぎて出演料が下がってきている元有名俳優、女優を採用した。
映画の重要な要素である脚本を安く手に入れ、さらに元有名俳優・女優を採用していたので安価に集客もできる。
開発コストを下げてブロックバスター映画を量産することにより、ディズニーはアミューズメントパークだけでなく映画の第一人者になった。
ディズニーの場合はブロックバスター利益だけでなく、キャラクターを活用した利益モデルを展開しているのだが、これについては次の利益モデルで紹介しよう。
関連エントリー:
2013/4/7 「利益モデル6. ブロックバスター利益モデル その1」
2013/4/9 「利益モデル6. ブロックバスター利益モデル その2」
2013/3/16 「エイドリアン・スライウォツキーのプロフィット・ゾーン経営」
2012/10/21 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 1
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 2
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 3
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