
スライウォツキー利益モデルの12番めは「ブランド利益モデル」だ。
この利益モデルは誰にとっても、いかにも明白だろう。
誰でも高い価値を持ったブランドは大きな利益を上げる事を知っている。
では、いかにしてブランドは企業に利益をもたらすのか考えてみよう。
コンテンツ
・ブランド利益モデルとは・ブランドの構築
・ブランドの毀損
ブランド利益モデルとは
ブランド利益モデルとは何か?端的に言うと、ブランドがあることによって、その商品が本来の価値以上の価格で顧客に喜んで購入してもらえることだ。
本来価格とブランドのプレミア部分で上乗せされた価格の差額が全く原価のかかっていない利益になる。
ではそもそもブランドとはなんなのだろうか?
ブランドとは、その商品が提供する本質機能の付加価値よりも高い対価を顧客が支払う魔法と表現できよう。
その魔法は様々な形態をとる。
あるメーカーの製品は長年壊れることなく機能し続け、また万が一壊れたとしてもメーカーが誠意を持って修理してくれたとしよう。
この事実が多くの人の参照を受け、人々に頭の中にこのメーカーは信頼できる生産者であるという固定観念が生まれる。
これこそがブランドだ。
魔法の源は信頼できる製品にかぎらず、必ず時代の最先端を行くデザインであったり、イノベーションを追求し続ける態度だったり、顧客満足度を最優先する価値観だったりする。
どんなものであれ、ある製品やメーカーに関して顧客の頭の中に積み重なった一貫したイメージがブランドだ。
ブランドの構築
現代ビジネスにおける魔法、ブランドはどのように築かれるものなのだろうか。つい前の項目でも述べたが、ブランドはある商品やメーカーに対して一貫したイメージを顧客の頭の中に作り出すことだ。
ブランディング手法が確立されていなかった過去においては、長年顧客に誠意を持って接することが一番のブランド構築法であった。
しかし、これは非常に時間のかかる努力だ。
ブランド構築の方法論が確立してきた現在は、雑誌やマスメディアへ短期間に連続して露出し、フラッシュのようにブランドイメージを顧客の頭に焼き付ける手法も往々にして使われるようになった。
以前のエントリーでも書いた、クロックスのブランディングもこれだ。
ブランドの毀損
ブランドイメージを顧客の頭の中に創りだすのは時間がかかり、困難だが、それに引き換えそのイメージを破壊するのは一瞬だ。ブランドを構築する方法がいくつかあるようにブランドを破壊する方法もいくつか存在している。
分かりやすい例が商品の供給過多によるブランド毀損だ。
クロックスは最大の売上と利益をあげた翌年に、商品の供給過多によってブランドを毀損し、大きな損失を出した。
関連エントリー:
2013/5/13 ブランディングのすぐそこにある罠 クロックスが見た地獄 1
2013/5/14 ブランディングのすぐそこにある罠 クロックスが見た地獄 2
値下げによるブランド毀損もある。
ブランド品の売上が下がってきたからといって価格を下げるような愚策を打つと、さらにブランドの価値を下げ、本格的なブランド破壊につながる。
ブランドの扱い方については専門書を読んでいただきたいが、ブランドはそれだけ繊細で取り扱いに注意が必要だということだ。
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