だが、そのWebサービスの特徴が同じようなWebサービスを量産させて利用者を困惑させている事態も招いている。
一つ例をあげてみよう。
現在私は人材領域の新規事業立ち上げをしているのだが、最近ソーシャルリクルーティングやビデオインタビューソリューションがトレンドになっている。
FacebookのソーシャルリクルーティングAppは国内海外合わせて10はローンチしているし、ビデオインタビューソリューションも海外プレイヤーを中心に片手以上サービス提供されていることが確認されている。
どちらもまだまだ市民権を得ているとは言えない状況にもかかわらず、だ。
なぜ新しいWebサービスは雨後の筍のように類似サービスが乱立してしまうのだろうか。
それは、Webサービス特有の環境にある。
開発が比較的容易
Webサービスが乱立しやすい要因にひとつとして、開発のしやすさがあげられるだろう。
はじめに断っておくと、私は全然コードを書ける人間ではないので、人から聞いた話や常識的な範囲での話になる。
Webサービスは基本的にWebサーバで稼働するアプリケーションを実装し、そこにDBを接続すれば完結するシンプルなシステムであることが多い。
これがもし企業内で使用するようなERPパッケージだったりすると、他のシステムとの連携やデータの受け渡しを考慮しなければならず、他システムに対する知識も必要になってくるためエンジニアへの要求スキルが広範囲に及ぶ。
また、Webサービスは開発環境やプラットフォームが充実しているため、開発者はWebアプリを作る技術があればサービスを立ち上げることが可能である。
いまはIaaSやPaaSのようなクラウドプラットフォームが低価格で提供されているおかげで自分たちでハードウェアを買い込んで構築する必要がない。
これは初期投資を大幅に下げて損益分岐ラインを押し下げ、また、サービス立ち上げまでのリードタイムを大幅に短縮する。
後発でもシェアを奪える可能性
eコマース以外のWebサービスで課金をするのは難しい。
PVを最大化して広告収入を得る、またはマッチングして企業から収益を得るのがこんにちのWebサービスの主な収入源だ。
どの方法で収入を得るにしろ、どれだけ集客できるかが重要であり、他の同種のWebサービスからいかにシェアを奪うかが重要だ。
特定のWebサービスで一度ナンバーワンプレイヤーが決まってしまうと、後発サービスがそこから巻き返すのはかなり困難だ。
検索サービスはずっとGoogleが帝王の座に鎮座し続けているし、ポータルサイトと言えばインターネット黎明期からYahooがその代名詞でありつづけている。
だが、まだナンバーワンプレイヤーが確定していない状況では他の業界よりもシェア獲得がしやすい。
なぜならSEOやWeb広告など、「すぐ」、「安く」集客できる手段があるからだ。
リアルビジネスでもSEOやWeb広告は優秀な集客ツールではあるが、集客のためのバナーを踏んでWebサービスの利用開始までシームレスに到達できるWebサービスは、リアルビジネスよりもSEO対策とWeb広告の効果が強くでるだろう。
他にもFacebookやTwitterのような他のサービスとアライアンスを組んでユーザーベースを借りる事で、一気にユーザー数を増やすことも可能だ。
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