カフェで読書や勉強をする時、通勤中に電車の中で英語のリスニング学習をする時、集中力を削ぐ周りの雑音を軽減してくれる魔法のアイテムがある。ノイズキャンセリングヘッドフォン(イヤフォン)というやつだ。
この魔法のアイテムは周りの騒音をマイクで取り入れ、それを打ち消す周波数を音楽と一緒にイヤフォンへ送ることで周りの騒音を打ち消してくれるのだ。完璧ではないが、だいぶ騒音が減りその効果に驚く。大きな家電量販店で試すことができるので気になる方は試聴してみると良い。
さて、私もカフェでの勉強や通勤中のオーディオブックをよく利用するので、漸くノイズキャンセリングイヤフォンに手を出してみた。いろいろ悩んでみた結果、ソニーのNC100Dという約1万円のイヤフォンを手に入れた。
いつもネットで下調べをして決め打ちをして物を買う質なのだが、思わず売り場でその意思を曲げそうになったノイズキャンセリングイヤフォンを発見してしまった。韓国のPhiatonというヘッドホンメーカーのPS 20 NCA商品なのだが、そのデザイン性から買う直前まで何度も何度もこの2機種で聴き比べして悩んでいた。
結局はノイズキャンセリング性能と音質に勝るソニーにしたのだが、ソニーは本来デザイン性に優れた革新的商品を世に出す今で言うアップルのようなメーカーではなかったか。
デザイン性の評価は一人ひとり違うという前提はあるが、デザインのソニーが韓国メーカーにデザインで劣るとは一体どうしてしまったのか。
顧客を見る韓国メーカー、自社を見る日本メーカー
Phiaton製のイヤフォンがどのようなデザインなのかは以下の画像を見ていただきたい。
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秀でた美しさというのはないが、無難で高級感があると感じる人が多いのではないか。黒金という組み合わせは高級感を演出するための鉄板の組み合わせだ。つやのある円柱のデザインは胸ポケットに挟んだ時に万年筆のような高級文具にも見える。
利用シーンをよく考えて、どう見えれば使用者が一番満足を得られるかが考えられていることを匂わせるデザインだ。
ノイズキャンセリングヘッドフォンはノイズを打ち消すチップとそれを動かす電池が必要で、このように本体が大きくなる。だからこそ他のイヤフォンよりもデザインが重要だ。
その条件下で、Phiatonのデザインは良く考えられているという感想を抱く。
一方、私が購入したソニーのイヤフォンを見ていただきたい。

昔流行ったMDポータブルプレイヤーの外部電池ケースのようではないか。10年以上前のウォークマンの時代からほとんどデザインが進化していない。
ソニーらしさを守っていると言えるのかもしれない。だが、旬を過ぎたデザインを頑なに踏襲することは保守性の表れだと感じざるをえない。
私はソニーファンではないけれど、ソニーとはソニーデザインを踏襲することではなくて、先進性の代名詞ではなかったか。ソニーはソニーらしさを守っているつもりで、実は本当に大切なDNAを捨て去ってしまっているのではないだろうか。
私が最終的にソニーのNC100Dに決めた理由は、性能と音質が理由だ。やはり長年の歴史があるだけあって、積み上げてきた連続的な進化の強みというものを感じる。
だが、全く同じ性能で合ったら間違いなくPhiatonを選んでいた。
最近元気の無い日本の製造メーカーに言えることだが、どのメーカーも連続的な進化をしているが、非連続的なイノベーションを起こした企業はほとんどないだろう。
ソニーがこの先もソニーであり続けるには、ウォークマンというとてつもない発明を生み出した非連続的イノベーションのDNAを取り戻すことが不可欠ではないだろうか。
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