
バーティカル型のクラウドソーシングで異色を放つDeliv。
前回のエントリーではクラウドソーシングの全体像について説明したので、今回はDelivのビジネスモデルについて解析してみたい。
前回エントリー:
2013/10/19 クラウドソーシングで成功するかもしれないDelivのモデル 1
ローカルデリバリーに特化したDeliv
Dlivはバーティカル型(領域特化型)のクラウドソーサーだと説明した。一体どんな領域に特化しているのかというと、狭い地域の地元店舗で購入した商品を、Delivに登録したドライバー達が届けるというサービスだ。
登録者はプロのドライバーだけでなく、空き時間を生かしたい学生や主婦も登録しているという。利用者が地元商店街で商品を購入してDelivを利用し60分以内の配送、または指定時間への配送を依頼できる。APIを公開しているので小売店が自社のシステムに統合してDelivへ配送を依頼することができる。
またバーティカル型の強みとして、配送に特化しているので、サイトを通じたドライバーのトレーニングやスクリーニング、保険などの待遇も手厚くなっている。総合型のクラウドソーサーだと、取り扱う案件が多岐にわたるためこうした手厚い対応は難しい。
参考: ”1分でわかる!成功サービス(92)” クラウドソーシングデリバリー 「Deliv」 (Binza Lab ブログ)
バーティカル型が優勢か?
今のところ日本ではまだ総合型、バーティカル型という明確なラインは生まれてきていない。だがクラウドソーシング先進国の米国の流れを見ていると総合型、バーティカル型のプレイヤーに分化し、そしてバーティカル型のプレイヤーが強くなってくるのではないだろうか。
米国でも規模で言えば総合型のクラウドソーサーの方が大きいようだが、やはりクライアントのニーズに応える力はバーティカル型のほうが強い。なぜなら、対象とする領域を絞り込んでいるので、Delivのように労務提供者へトレーニングを実施したり、専用システムを作り上げてAPIをクライアントへ提供したり、損害保険を掛けるなど、ビジネスニーズに合致したサービスを提供できるからだ。
1トランザクションあたりの単価や収益性では、おそらくバーティカル型が統合型を超えるだろう。
ただし、バーティカル型はどうしてもニッチプレイヤーであるため、知名度や集客効果に劣るだろう。利用者と登録者を集客するグロースハッキングに相当力を入れてプラットフォームを成長させていく必要があるだろう。
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