
年の瀬の2013年12月30日にGoogleとアウディの提携をウォールストリート・ジャーナルが発表した。Android OSによるアウディ車の社内システム開発に関する業務提携だ。音楽再生やカーナビといったインターフェースをAndroid化するという計画のようだが、Androidスマートフォンを通じた遠隔操作やモニタリングなど多岐に渡る連携が考えられそうだ。
参照: グーグル アウディと開発連携へ
モバイル+αの連携
2013年はモバイルと既存商品の連携が大きく取り沙汰された年であった。
これもつい先日のニュースだが、LGの洗濯機とロボット掃除機がAndroidスマートフォンと連携する機能が発表された。LINEを使って冷蔵庫に命令をすると、冷蔵庫内の写真を取って中身を遠隔地から確認できたり、残っているモノを分析してレシピの提案が可能になるという。ロボット掃除機も同様にLINEを使って掃除を指示したり、前回の掃除履歴を確認することができる。
また、クラウドと自動車の連携はもっと歴史が古く、Microsoftとトヨタの連携は2011年に始まっているし、同じくらいの時期にPandoraというインターネットラジオは自動車のラジオとして搭載され始めていた。
もはやクラウドやモバイルといった新しく普及したテクノロジーとレガシー製品の連携は待ったなしだ。
ビジネスチャンスはどこにあるのか
こうした時代の変化をビジネスチャンスとして捉え直してみよう。
・自前主義から調達主義へ
まずレガシー製品を扱う大手企業に求められる態度は、こうした新しいテクノロジーを自分たちで獲得しようとする無駄な努力をしないことだ。日本の電機メーカーを中心に、大手メーカーは自前主義化強すぎるきらいがあるが、あらゆるイノベーションを追いかける体力などあるはずもないので、そこはスタートアップに任せることだ。そして大手企業はビジネスをリードしていくのが良い。
レガシー製品メーカーが新しいテクノロジーのスタートアップと組むことのメリットは、新しい付加価値を追加することによって新しい顧客層を獲得できることにあるのではないだろうか。前述のLG白物家電とスマートフォンの連携は、LINEという若者が使い慣れたインターフェースを利用することによって、若者を囲い込むことができるだろう。
・チャネルの獲得
レガシー製品を扱う大手企業と連携することは、スタートアップ企業にとっては高速エスカレーターに乗るようなものだ。最近スタートアップ界隈でグロースハックという言葉がトレンドになっているが、この概念の誕生はスタートアップ企業が顧客を集めることの難しさの裏返しでもある。レガシー製品を扱う大手企業と連携し、数万、数十万のユーザーへアクセスできれば、スタートアップ企業にとってはグロースハックという大きな手間を省けることになる。そして財務的にも安定した取引先を獲得できることになるので大きなメリットだ。
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