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Tech in Asiaより |
そのTencentがスマホ向けに提供しているIMアプリのWeChat(微信)はLINEと並びアジア市場で存在感を高めているが、Uber的なタクシー配車サービスが実装された(参考: In China you can now hail a taxi and pay the driver on WeChat(Tech in Asia))。元々はDidi Dacheという中国のスタートアップがUberをオマージュ(良く言えば)したサービスを展開していたのだが、そのDidi DacheへTencentが熱心に投資していた。そして今回WeChatにDidi Dacheのサービスを実装させることに成功。その結果はというと、9日間で10万回の配車を実現したのだ。既にこのサービスにサインアップしたユーザーは20万人を超え、ドライバーの登録者数も35万人にのぼるとされている。
この事例一つを見ても如実に現れているが、アジア最大とは言えどTencentを始めとする中国のネットサービスはまだ世界に発信していくような新しいサービスを創造できていない。だが、逆に世界、特にシリコンバレーを始めとする欧米で普及しているサービスは、すぐに類似サービスを提供するスタートアップが立ち上がってくる印象がある。スタートアップ側のパクリっぷりも迷いがなく、米国で成功しそうなサービスはまだ確証が得られずともすぐにそのまま中国国内のスタートアップによって国内マーケットに投入される。そして、そのサービスを取り込むTencentのような大手ネットサービス企業のスピード感もGoogleやAppleのような米国大手テック企業を超えてきているように感じる。
これは非常に大きな脅威と言えるだろう。中国のネット業界が模倣を繰り返すことで下地を身に付け、徐々に存在感を増してくる。Tencentは昔はただICQとFacebookとTwitterを模倣し、中国国内で初めてのサービスだったためユーザーを獲得した(これが重要だし難しいことだけれど)にすぎなかった。だが、今となってはそのプラットフォームにレバレッジをかけて有効活用する方法をGoogleやFacebook以上に身に付けているように見える。
こうした中国の動きと見比べると、やはり日本のネットサービスマーケットは霞んで見えてしまう。膨大なユーザーベースにレバレッジをかけて新しいサービスをスケールしていくことに熟達しているのは、日本では唯一ソフトバンクの孫さんくらいだろうか。スタートアップのみならず、スタートアップを含めたエコシステムの構築を日本は急がなければならない。
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